——小売店向けのスペースを提供しながら、駐車場のシェアシステム「軒先パーキング」も展開されていますね。
駐車場はイベントの開催にあわせて開拓しています。2018年は、8月に新潟県長岡市で開かれた「長岡花火」や4月に滋賀県東近江市で行われた「ももクロ春の一大事2018 in 東近江市 〜笑顔のチカラ つなげるオモイ〜」などで、自治体と協力して駐車場スペースを集めました。
当初はあまり認知されていなかったので、反応が鈍かったのですが、1つの駐車場スペースが売れたら、そこから注目が集まり、開催当日まで駐車場スペースのマッチングをしたり、かなり忙しかったです。
こうした自治体と協力した動きは最近増えていて、駐車場のスペースは観光課題の1つなんですね。ただ、常に必要ではないので大型の駐車場スペースを用意するのはちょっと違う。人が多く訪れるその日だけ必要なので、地元の人を巻き込んで、確保していくのは効率がいいと思っています。
——今後は、小売店向けの「軒先ビジネス」より、軒先パーキングの数を増やしていく方向ですか。
語弊があるかもしれませんが、市場のポテンシャルとしては小売店向けのほうが大きいと思っています。駐車場は、今後の人口減、自動車減の流れの中で10~20倍になるビジネスではないと思うんですね。どちらかというと、今ある場所をうまく活用していくビジネスかなと。
一方、小売店は規模感としては駐車場よりもかなり大きくて、将来性があると見ています。再開発が進んでいるビルの一角や夜だけ営業しているバーの昼間の時間帯など、まだリーチできていないスペースも多い。
ただ、このサービスのハードルは先程も言いましたが、やはり必要なのはオーナーの方の理解なんです。その理解を深めることと合わせて、飲食店の開業希望者が既存飲食店の空き時間を利用して開業するシェアレストランサービス「軒先レストラン」も始めました。
——実際、どうやってスペースを確保しているのでしょう。
私たちの方からも営業活動をしていますが、最近は駐車場スペースと通常のスペースの両方をもっているオーナーの方もいらっしゃるので1つの提案で2つのスペースを確保できるケースも増えてきました。ポイントとしては、間口を広く捉えること。「ここは無理だな」と勝手に思い込まず、いろんな物件を取り扱うようにしています。
どんな物件でも、24時間365日お金を生むことはなくて、スキマ時間は必ず存在します。そのスキマ時間に合わせた用途を提案できるのが我々の強みです。新たな短期貸しをすることで、物件価値が上がる、さらにはエリアの価値向上につながることを、オーナーの方には伝えています。
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