仮想現実(VR)ゲームにおいて、プレーヤーが自分の足を使ってVR空間で動き回れると没入感が高まる。そのために、「Virtuix Omni」のような大がかりな装置や、サンダルと似た手軽な歩行型VRデバイス「Cybershoes」などが存在する。これらは、いずれもプレーヤーが実際には移動せず、足の動きをVR空間に反映させているに過ぎない。
これに対しGoogleは、プレーヤーが移動するものの狭い部屋など限られた場所で使えるVR歩行デバイス技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月15日に「AUGMENTED AND/OR VIRTUAL REALITY FOOTWEAR」(公開特許番号「US 2018/0326286 A1」)として公開された。出願日は5月9日。
この特許は、足に装着し、足の動きをVR空間の移動操作へ反映させられるVR歩行デバイスを実現させるためのもの。この種のデバイスは、足を動かしても現実空間では実際に移動せず、VR空間内だけで仮想的に移動するタイプが多い。Googleの特許は、装着者が足の動きにより現実空間でも移動する点が特徴的だ。
しかし、装着者が前進し続けるなどすると、いずれ物や壁にぶつかるなどしてそれ以上は進めなくなる。そこでこのデバイスは、あらかじめ設定していた領域を越えて進むと、デバイスの底面に取り付けられた駆動装置が機能し、装着者を領域内に戻す。このように制御することにより、装着者は実際に移動しつつ、狭い部屋のような場所でも無限に進めるVR歩行デバイスを実現できる。
ただし、この特許の重点は歩行デバイスの機械的構造であり、装着者を領域内へ戻す制御に関する記述は第9クレーム(請求項)まで登場しない。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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