一連の不祥事に対し、Facebook幹部が取った対応に批判が高まっている中、Mark Zuckerberg氏がCNNのインタビューに応じ、会長を辞任するつもりはないと明言した。
同社の会長と最高経営責任者(CEO)を兼任するZuckerberg氏は米国時間11月20日夜に放映されたCNNのインタビューで、「そのつもりはない」と述べた。「永久に続けることにはならないだろうが、今のところはそれ(辞任)に意味があるとは思えない」と同氏は続けた。
14年前に創設者の1人としてFacebookを立ち上げたZuckerberg氏に対し、CNNが辞任の可能性を聞く前から、同社の幹部に対する風当たりは高まっていた。この1週間前にはNew York Timesが、政治コンサルティング企業Cambridge AnalyticaによるFacebookユーザー数千万人のデータの不正利用が発覚したスキャンダルについて、Zuckerberg氏と最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏が「危険な前兆を認識しながら無視していた」と報じた。この報道によると、Facebookへのロシアの干渉活動についても、同社は早ければ2016年春には把握していたという。
さらにNew York Timesによると、FacebookはDefiners Public Affairsという会社を雇い、自社サービスへの批判に対する報復を行ったり、批判派を中傷する情報を拡大させたりしていたという。
幅広いトピックを扱った今回のCNNインタビューで、Zuckerberg氏は、このDefinersがFacebook向けに行っていた活動については、今回のNew York Timesの記事を読んで知ったと語った。
「もちろん、この会社を経営しているのは私だ。ここで起きることすべてに責任がある」とZuckerberg氏は語った。
また、TechCrunchが入手したメモによると、Facebookのパブリックポリシーの責任者だったElliot Schrage氏の辞任は、Definers採用の責任を取ったということのようだ。TechCrunchの記事によると、Schrage氏はこのメモで、Definersにライバル会社に関する否定的な情報を拡散させたことは認めたが、フェイクニュース公開の依頼やその報酬の支払いは否定しているという。
Zuckerberg氏はまた、今回のインタビューで、Donald Trump氏がイスラム教徒の米国入国について「全面的で完全な遮断」を主張し議論を呼んだ、2015年の投稿をFacebookが放置した判断について、正当性を主張した。
また、2016年の米国大統領選におけるロシアの介入については、「我々がとても重要なことを見落としたのは間違いない」と認めながらも、「我々が予測していたものではなかった」と付け加えた。
「2016年よりも前に、そもそもロシアがこうした情報操作を行おうとする前に、この件を把握していたら、と願わずにはいられない」とZuckerberg氏。
「国民国家が背後にいる活動について、その存在を公表するのは本当に重大な決断だ。確かにそうした活動があったと、会社として認めるからには、それ事実であることを(CEOである)私が、事前にしっかり確かめたいと考えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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