TOEFL業界全体(約50億ドル=約5660億円規模と推計されている)はほんの一握りの企業に占領されている。当然、Duolingoはそこに破壊的イノベーションの機会を見いだした。
「この4年ほど、当社のAI開発の90%はその(独自の)語学技能試験に向けられてきた。われわれはAIを使用して、受験者の特性を確認し、試験項目を生成して採点し、試験を適応的に管理する。この方法により、試験の最初から最後までを45分で処理できる。これは、インターネットアクセスさえあれば、世界のどこでも実施できることだ」(Settles氏)
現在では、イェール大学やニューヨーク大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、デューク大学など、米国の300以上の大学がDuolingoの語学技能試験を受け入れている。
Settles氏によると、Duolingoは現在、同社の中核的な語学学習アプリでAIの使用を拡大しているという。主な重点分野には、コンテンツ開発やパーソナライゼーション、認知モデリングが含まれる。コンテンツ開発面では、DuolingoはAIを使用して、コースカリキュラムを開発している。さらに、英語の演習をほかの言語に当てはめたり、意味や単語の使用頻度に対する理解を向上させたりするのに深層学習を使用している。
「われわれが使用する深層学習モデルの大半は、自分たちで生み出さなければならなかったものだ。われわれが突き当たる問題は普通のものではなく、当社のデータに固有のものなので、必ずしも頼れるものがたくさんあるわけではない」(Settles氏)
「コンピューティングリソースに関しては、クラウドインフラストラクチャとしてAWSを利用している。だが、機械学習や実際のモデル、AIアーキテクチャについては自分たちで作り出したものだ」(同氏)
Duolingoのビジネスモデルと長期的な計画に目を向けると、同社は広告、そして、広告を非表示にするためにユーザーが支払うサブスクリプション料金が売り上げの大半を占めているという。2018年には、サブスクリプション料金が最大の収入源となった。同社はサブスクリプションオプションの魅力を高めるため、AIを利用する新機能の提供を開始する予定だ。
Duolingoによると、2018年は売上高が4000万ドル(約45億円)に達するペースで推移しており、収支がほぼ合いそうな見通しだという。全社的に人材採用を拡大しており、AIチームは今年、9名に拡大した。同社の目標は株式公開企業になることで、今後3年以内に新規株式公開(IPO)が実施される可能性もある。
「より良い仕事に就いたり学校に入ったりするために語学学習を最も必要とする人々が、最も金銭的余裕がない人々でもあるということについて、私はいつも不公平だと感じていた。3億人以上の人々に言語を教え、全ての学習コンテンツを無料で提供しながらも、広告とサブスクリプションによって持続可能なビジネスを築き上げたという、われわれがこの6年間に成し遂げてきた進歩を見ると、本当に報われた気持ちになる」(von Ahn氏)
「私は、今後数年以内にDuolingoが株式公開企業になることを望んでいる。その実現に向かってわれわれは順調に進んでいるが、もちろん、それはさまざまな要因に左右されることになるだろう」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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