楽天は11月8日、2018年度第3四半期決算を発表した。1~9月の連結業績は、売上収益が7903億3000万円(前年同四半期16.8%増)、Non-GAAP営業利益は1423億円(同6.5%増)、IFRS営業利益は1335億4400万円(同11.1%増)と、3Qまでの累計売上収益・営業利益で過去最高を記録した。
一方、3Q単体では、売上収益が2782億円(同17.7%増)、Non-GAAP営業利益が521億円(同9.9%減)、IFRS営業利益が439億円(同14.9%減)と増収減益となった。
各セグメントの3Q業績は、楽天市場など国内ECの売上収益が1059億円と前年同期比で5.2%増、営業利益は162億円(同15.8%減)。コミュニケーションズ&スポーツ領域の売上収益は307億円(同22.6%増)、営業利益はマイナス34億円(同29億円減)。その他インターネットサービスは売上収益571億円(同27.6%増)、営業利益は257億円(同12.7%増)。インターネットセグメント合計では、売上収益が1937億円(同13.7%)、営業利益が385億円(同7.5%減)となった。
楽天カードや楽天銀行といったFinTechセグメントでは、売上収益が1074億円と前年同期比で28.3%増。営業利益は、楽天損保の天災における影響から9.6%減の163億円となったものの、影響を除いた営業利益は213億円(同18.8%増)と、FinTech事業自体の成長は継続したとしている。楽天カードは、ユーザー数が1600万人を超えたほか、FinTech事業のクロスユースも進み、楽天カードと楽天銀行、楽天証券を使うユーザー数は、前年同期比で43.4%増えているという。また、楽天銀行と楽天証券は、SPU(スーパーポイントアッププログラム)に参画し、グループ経由の口座申込数がそれぞれ2.6倍になったと明かした。
また、携帯電話のMNO事業については、11月1日に発表されたKDDIとの業務提携について言及。同社では、「事業協争」という言葉を用いて説明し、協力しながら競争する関係にあるという。提携では、楽天が自社ネットワークを拡大するまで、KDDIの通信ネットワークをローミングで利用し、自社網が整備され次第切り替える。また、KDDIは楽天PayやRakuten Express、Rakuten Super Logisticsといった楽天の決済や物流基盤を活用する。一方で、金融系などのライフデザインサービスはそれぞれビジネスを展開するという。
MNO展開時の料金について、楽天の山田善久氏(副社長執行役員コミュニケーションズ&エナジーカンパニー プレジデント)は、「まだ具体的には最終決定していない」としつつ、2019年10月の提供時には「他社よりもユーザー視点で魅力的な価格を提供したい」とコメント。自社ネットワーク構築には、楽天グループ全社を挙げて設置するとしており、総務省への提出計画である2026年3月までの屋外基地局数約2万7000カ所も、3年ほど前倒しを予定しているという。基地局設備などのベンダーも公開し、実績を持つ“少数精鋭”のチームで取り組むとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス