タイルを回転させるパズルゲームがグランプリ--第3回 全国小中学生プログラミング大会

 全国小中学生プログラミング大会(JJPC)実行委員会は10月21日、「第3回 全国小中学生プログラミング大会」の最終審査会・表彰式を開催し、グランプリ・準グランプリをはじめとする受賞作品全10作を発表した。

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「第3回 全国小中学生プログラミング大会」表彰式の様子

 全国小中学生プログラミング大会は、アイデアを表現・発信する手段としてのプログラミングの普及を目指したコンテスト。2016年に第1回大会を開催し、これまでに400名以上の子どもたちが作品を応募または、関連イベントに参加している。全国小中学生プログラミング大会実行委員会(角川アスキー総合研究所、UEIエデュケーションズ、CANVAS)が主催し、朝日新聞社が共催、総務省が後援している。

 今回は夏休み中の開発を想定し、募集期間を7月1日から9月5日までに設定。結果、北海道から沖縄まで、全282の作品が小中学生から寄せられ、1〜2次審査を経て「入選作品」の10作を決定した。10月21日に開催された最終審査会では、制作者によるデモ展示をもとに選考。そして同日の表彰式で、グランプリ・準グランプリなど、各賞に選ばれた10作品を表彰した。なお、小学校低学年部門の優秀賞は該当作がなかった。

 グランプリに選ばれたのは「つながる。」(中学3年生の三橋優希さん)。準グランプリには「点字メーカー Ver1.03」(小学4年生の越智晃瑛さん)と「Magical Guitar 〜あなたも今からギタリスト〜」(中学3年生の真家彩人さん)がそれぞれ選ばれた。

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「つながる。」

 つながる。は、中学3年生の三橋優希さんの作品(使用環境:Scratch)。タイルをクリックして回転させ、人と人が白い線によってつながるゲーム。大会テーマ「こんなせかいあったらいいな」に対して、「みんながつながることのできる温かいせかいがあったらいいな」との思いで製作したという。画面の配色やメニューなど十分な理由づけと配慮がされており、パズルゲームとして完成度が高いだけでなく、オリジナルステージのエディターやそれを共有する「世界のステージ」という画面まで作り込まれている。講評では、画面は2次元だが、3次元的な平面の組み合わせが非常に楽しいと評価された。

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三橋優希さん(中学校3年生)

 点字メーカー Ver1.03は、小学校4年生の越智晃瑛さんの作品(使用環境:micro:bit)。リストバンドを前後・左右に傾けるなどの動作で文字を入力して、点字を作ることができることが特徴。「ふりふりウォッチ」で入力された文字は、無線で「点字変換ボックス」に送られて表示される。膨大な数の点字が記載された表を調べることなく、効率的に点字を作ることができるという。

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「点字メーカー Ver1.03」を開発した越智晃瑛さん(小学校4年生)

 講評では、電子工作が目的ではなく、日々の生活のなかで感じた課題を解決するために、たまたまそこにあった電子工作を使った点が素晴らしいと評価。また、プログラムの量も巻物にできるほど多く、根気強く着実に作ったものを確かめて、動かす段階まで持っていったことに審査員一同が感心していたという。

 Magical Guitar 〜あなたも今からギタリスト〜は、中学3年生の真家彩人さんの作品(使用環境:ARMマイコン、JAVA、Scratch)。「誰もがギターを演奏できる」世界を実現するために製作。自作のギター型の入力装置と、PCで動作する自動伴奏ソフトが連動。左手をネックに当て、下にスライドすると音が高くなり、上にスライドすると音が低くなる。ネックには鉛筆で線が塗られており、そこに電圧をかけて、アルミホイルで押さえた部分による抵抗値の違いを利用して、押さえた場所を検知している。

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「Magical Guitar 〜あなたも今からギタリスト〜」を開発した真家彩人さん(中学3年生)

 講評では、ギターが弾けないという課題に対して、テクノロジを使って楽しめるようにする発想が面白い。抵抗値を変えたり、紙の質にこだわったり、その試行錯誤が形になって見えていて、素晴らしいと評価された。

 グランプリには賞状と盾、副賞として「MacBook Pro 13インチモデル」、準グランプリには賞状と副賞の「HP ENVY x360」、優秀賞には賞状と副賞の「HP Pavilion x360」、入選には賞状と副賞の「ギネス世界記録2019(書籍)」がそれぞれ進呈された。

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各受賞作品

 なお、全国小中学生プログラミング大会は今回、同様に若年層を対象とした「U-22プログラミング・コンテスト」と連携。その一環として、最終審査会・表彰式と同日に、同じ会場で「ヤングプログラマーズ・デイ 2018」を併催している。大会入選作品の紹介のほか、ミニワークショップやVR体験ブースなども設けられ、全国小中学生プログラミング大会とU-22プログラミング・コンテストの実行委員による「【IT×教育 質問・相談室】」と題したパネルディスカッションも開催された。

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「ヤングプログラマーズ・デイ2018のワークショップ」の様子
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【IT×教育 質問・相談室】の様子

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