全国小中学生プログラミング大会実行委員会は、小中学生(6歳〜15歳)を対象にしたプログラミングコンテスト「第2回 全国小中学生プログラミング大会」の最終審査会&表彰式を、11月26日に東京で開催した。
同大会は、プログラミング教育の義務化を見据え、全国の小中学生にプログラミングで表現する場を提供することで、学ぶ強い動機づけとなることを目的としており、2016年から開催している。主催は、角川アスキー総合研究所、UEI、CANVAS。共催は朝日新聞社。後援は文部科学省、総務省、経済産業省。
第2回開催となる2017年のテーマは「こんなのあったらいいな」。応募内容は、PC・スマートフォン・タブレットで動作するプログラムや、アプリ・ゲーム・ムービーなどのソフトウェア、ロボット・電子工作などのハードウェア。すべてオリジナルでプログラミングしたもの、または自身による改良作品であれば形式を問わず募集していた。
応募は、個人または3名以下のグループで、今回の募集期間は、第1回よりも長い8月1日〜9月15日(第1回は8月20日から9月15日)だった。なお、第1回(129作品)を上回る167作品が寄せられた。
今回、事前審査を経て10点の入選作を決定(同大会ウェブサイトにて公開)し、最終審査と表彰式を兼ねた11月26日開催のイベントにて、グランプリ/総務大臣賞などを発表した。なお、審査基準は、発想力、表現力、技術力の3点。
グランプリとなる総務大臣賞に選ばれたのは「僕のドラえもん」(蓼沼諒也さん・小5)。準グランプリには「narratica(ナラティカ)」(菅野楓さん・中2)と「キラキラミュージックBOX」(平野正太郎さん・小6)がそれぞれ選ばれた。
僕のドラえもんは、小学5年生の蓼沼諒也さんの作品。人間の脳を模した迷路を最短距離で解くプログラムで、「自分でマイ人工知能を作ってみたい」という思いが作品のきっかけだという。最短経路を探す手法として、単細胞生物である粘菌が迷路を解くことができると知り、それをヒントにプログラムを作ったという独創的な着眼点が高く評価された。また、粘菌の動きという自然界のアルゴリズム(ネイチャー・テクノロジー)とプログラミングを組み合せた発想が、今後のプログラミング教育普及における指針を示すうえでの好例だとして、グランプリ/総務大臣賞に選ばれた。
narraticaは、中学2年生の菅野楓さんの作品。映画やドラマの脚本(シナリオ)を解析し、面白い作品づくりを支援するためのソフトウェア。入力された脚本のテキストを用いて、自然言語処理で登場人物の感情の起伏をグラフ化。ストーリーの構成がどのような特徴を持っているか診断することができるという。なお、問いそのものを作り出し、何が課題であるかを見つけ出すためにプログラミングを活用するという動機から作品を完成させた点が評価された。
キラキラミュージックBOXは、小学6年生の平野正太郎さんの作品。光と音に合わせてタイミングよくボタンを押して楽しめる、電子工作で作られたゲーム。遊ぶ曲を複数選べる、曲の流れるスピードを変えられる、うまくプレイできたときに鮮やかに光るエフェクト機能があるなど、実際に多数の人たちに遊んでもらった際に得られたフィードバックから改良を重ねて制作されている。作品としての完成度の高さと、電子工作技術の面でもゲーム内部が非常によく考察されて作られていた点が、審査員から高く評価された。
グランプリには盾と副賞「MacBook Pro 13インチモデル」、準グランプリには副賞「HP Spectre x360」、優秀賞には副賞「HP Pavilion x360」、特別賞であるイシダ賞には副賞「図書カード(3万円分)」、入選には記念品「ギネス世界記録2018(書籍)」がそれぞれ進呈された。受賞作品の詳細な内容については、大会公式サイトにて後日公表される予定。
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