USEN-NEXT HOLDINGS(USEN-NEXT)は10月18日、2018年8月期通期の業績を発表した。売上高は1079億円(業績予想は1060億円)、営業利益は60億円(同60億円)となり、業績予想に対し堅調に推移した。音楽配信、業務用システムなど、既存事業が安定した収益を確保したほか、コンテンツ配信、エネルギーなどの高成長事業が獲得数を拡大し、売上高を大きく積み上げた。
USEN-NEXTでは、2017年にグループを統合。今回は統合後初の通期決算となった。代表取締役社長CEOの宇野康秀氏は「売上、営業利益ともに概ね業績予想通りの数値となり、当期純利益は業績予想の24億円に対し、31億円と業績予想を30%以上上回った。いいスタートになったと考えている」と感想を話した。
同社では現在、6つのセグメントで事業を展開。店舗や商業施設向けのBtoB事業が多くを占め、映像配信サービス「U-NEXT」を手がけるコンテンツ配信事業のみがBtoC向けになる。
宇野氏は「有線放送に始まり、私たちが展開するのは月額課金をいただくビジネスがほとんど。ユーザー数を増やさないと売上は伸びない。全体の構成比は音楽配信に頼り気味だったが、事業ポートフォリオを変えていく取り組みをしており、既存事業の売上は30%を切る状況。そのほかの事業が伸長してきている」と説明。成長事業における売上は「USENでんき」が約4倍、「USEN Register」が1.7倍、「U-NEXT」が1.3倍と前年に比べ増収となっている。
中でも大きく成長したUSENでんきは、飲食店や美容院、スーパー、コンビニエンスストアなどの中規模店舗がメインターゲット。「音楽配信で培ったマーケットを持っているため、比較的競争は激化していない。2016年9月の立ち上げから順調に契約者数は伸び、2022年には現在の約3倍となる1万7000件の累計加入件数を目指す」と今後について話す。10月には、「USENガス」サービスもスタートし、「出だしは好調。2020年には黒字化を達成できる見込み」とした。
一方、リクルートとの業務提携を発表した「Uレジ」は、「単独で乗り込むよりも力を持った会社と一緒にやっていく。お互いの市場の強みをいかしサービスの質を高める」と今後の戦略を話す。具体的にはリクルートが直接営業やテレビCMなどの認知拡大により、獲得した新規顧客に対し、USEN-NEXTがサービス、メンテナンスなどを提供するというもの。「これは新規顧客に対し、新しい営業ができるチャンス。大きなビジネスチャンスにつながると期待している」とした。
U-NEXTについては、ソニーの液晶テレビ「ブラビア」の新モデルに「U-NEXTボタン」が搭載されたことを紹介。「今までNetflixなどがリモコンにボタンを搭載していたが、U-NEXTも参画し始めている。登場から数カ月が経ったが、ユーザーがボタンを押してそのまま加入につながる結果を生んでいる。ソニー以外のテレビメーカーとも同様の連携をしていきたい。HuluやNetflixに比べ知名度で遅れてをとっていたが、これによってカバーしていけるのではと思っている」と、リモコンボタンの設置に大きな期待を寄せた。
2019年8月期の業績予想については、通信サービス事業において、NTTのサービス契約を代理店販売していたワンショット型の収入から、サービス卸を受けUSEN-NEXTのサービスとしてユーザーに提供するランニング型収入へと、事業モデルを転換するほか、店舗サービス事業における販促費先行により、営業利益は前期実力値より減少すると予測。しかし3年以内で回復プラス釣果収益の創出を図る計画としている。
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