2017年に経営統合したUSEN-NEXT HOLDINGSが、新たな指標を示した。「大きな目指すべき山は売上高1兆円超、営業利益1000億円超。2018年8月期の決算では、売上高が1440億円、営業利益が92億円程度。実力値に比べ、高い目標だが、十分に実現性を持っていると自負している」と、USEN-NEXT HOLDINGS 代表取締役社長CEOの宇野康秀氏は、8月8日に開かれた事業概略説明会で話した。
USEN-NEXT HOLDINGSでは、2017年に、BtoBビジネスを展開するUSENと、業界シェア3位のVODサービスを運営するU-NEXTを統合。2018年7月には本社を目黒に移転し、分散していたグループ会社の拠点を集約した。それに先立ち6月1日には新人事プロジェクト「Work Style Innovation」をスタートし、思い切った働き方改革を進めている。
新オフィスは、東京都品川区にある目黒セントラルスクエアの9~13階を使用。5フロアでグループ会社9社の約1300人が働く。執務エリアは完全フリーアドレス制で、自分のスタイルに応じて時間や場所を選択できる働き方「ABW(Activity Based Working)」を推進。始業、終業時刻も社員それぞれが決定する「スーパーフレックスタイム制度」を導入した。
「25歳でインテリジェンス(現:パーソルキャリア)を創業し、社長業は30年目。30年間ずっとマネジメントのあり方を考え続けたが大きな脱却はできなかった。しかし会社統合という新しい挑戦をする中で、組織やマネジメントのあり方も勇気を持って変えていこうと思った。決まった時間に会社に来るという今まで長く続いてきた働き方は、いいところもあれば悪いところもある。むしろ今では弊害のほうが目立つ。その弊害をなくすためにはインフラを整えればいい。PCを持ち歩くことで、どこにいてもコミュニケーションがとれる時代になった」と宇野氏は、時間や場所に縛られない働き方を提案する。
USEN-NEXT HOLDINGSでは、6月の改革以降、社員の90%が働きやすくなった、70%が業務効率がアップしたと回答しているという。
社内の改革を推し進める一方、事業では、動画配信、ICT/IoT、Fintech/スマートPay、インバウンド、エネルギーの5つのテーマを掲げる。なかでも重点事項に位置づけるのがエネルギーだ。
東京電力と業務提携し提供している「USENでんき」は、飲食店や小売店など店舗への導入を進めており、秋からはガスの供給もスタートする予定だ。「店舗におけるエネルギーは大きなコストがかかっている。電力自由化にともない、価格の安いエネルギーを提供できるようになった。これを音楽配信ビジネスでお付き合いのある店舗の方々に使っていただき、コストダウンを実現している。人手不足やインバウンド対応など、店舗がかかえる課題は多い。エネルギーコストを抑えた分の資金をほかの設備投資に使ってもらいたい」(宇野氏)と、エネルギー事業に取り組む意味を話す。
USEN-NEXT HOLDINGSの企業スローガンは「必要とされる次へ。」。宇野氏は「このタイミングで勇気を持って大きな変化に取り組む」とし、この改革を推進していく考えだ。
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