だが、シリコンバレーの大手ソフトウェア企業は長年データを収集してきたとはいえ、こうした企業にとってハードウェアも重要な事業になりつつある。Amazonがまず2014年に人工知能(AI)アシスタント「Alexa」とそれを搭載するスマートスピーカ「Echo」を発表した。同社は9月に掛け時計やサブウーファー、電子レンジなどの新製品を発表した。Facebookも10月8日に、長らくうわさされていた動画チャットデバイスを「Portal」という名で発表した。
FacebookとGoogleの問題はある意味で似ているが、逆だ。
Facebookはこの2年間、ユーザーの信頼を失う危機にひんしている。いまだにCambridge Analyticaスキャンダル(英国のデジタルコンサルタント企業が、およそ8700万人の個人情報を無許可で入手した事件)で揺らいでいる。2週間前には、Facebookは5000万人が影響を受けた大規模な攻撃があったと発表した。こうした問題に直面する中、Facebookは今がユーザーのリビングルーム向けハードウェアを売るのにいいタイミングだと判断した。
Googleは長年ハードウェアを販売しており、3年前にこの市場に本気で取り組むようになった。同社は2016年、Motorolaの元幹部だったOsterloh氏をコンシューマー向けデバイス製造に特化したチームの責任者に迎えた。2017年には、ハードウェアエンジニアリング強化のために台湾HTCに10億ドル支払った。
だが、Facebookがスキャンダルで糾弾されている間、比較的自由だったGoogleも今、データの取り扱いで叩かれている。
Googleは家庭でのプライバシーは特に繊細な問題であることを理解している。同社の新スマートディスプレイであるHome Hubは、FacebookのPortalと異なりカメラを搭載していない。
GoogleのGoogle Home関連製品責任者、Rishi Chandra氏はインタビューで「カメラが論争の的になるのは当然だ。家中の部屋にカメラを設置することに抵抗を感じる人もいる。カメラを搭載せずに高い価値を提供できるとわれわれが感じられる製品にしたかった」と語った。
Facebookと異なり、Googleは自社のハードウェア製品についての信頼を長年かけて確立した。基礎になったのは愛されたがニッチだった「Nexus」プログラムだ。Nexusデバイスは、通信キャリアやデバイスメーカーが追加する機能やアプリを排した素のAndroid OSを搭載していた。Googleは毎年、LGエレクトロニクス、華為(ファーウェイ)、HTCなどの異なるメーカーと協力して独自スマートフォンを送り出した。
Nexusの目的は、必ずしも市場シェアを取ることでも、収益を上げることでもなかった。Googleのソフトウェアのショーケースにすることと、他のハードウェアメーカーにお手本を示すことでもあったのだ。
3年前、同社は戦略を「Made by Google」路線にシフトした。Googleは2016年、初代のPixelスマートフォンとスマートスピーカのGoogle Homeを発表した。今では製品ラインアップには仮想現実(VR)ヘッドセットから動画、オーディオストリーミングデバイスまで含まれる。
Googleの売り文句は、自社のハードウェア製品は同社の検索企業としての20年の歴史とコンピューティング分野での進歩を活用できるというものだ。
「やがて来る大規模なブレイクスルーはハードウェアだけのことではない。AI、ソフトウェア、ハードウェアの3つが交差するところに来る」(Osterloh氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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