農業用の土壌水分センサーや灌水制御装置、ビニールハウスソリューションの開発・販売をするSenSproutは10月29日、センサーシステムと栽培コンサルティングを提供する「高機能ビニールハウスソリューション」を、新規農業参入企業向けに発売した。事業提携先である果実堂、および果実堂テクノロジーと共同開発している。
農業用高性能ビニールハウスは、低コストでありながら「環境制御」と「耐候性(耐風・耐雪)」の機能を有しているという。(1)灌水技術・換気技術を自動化することで収量・回転数が上昇、(2)構造計算により適選に部材を配置し、鋼材の使用量を適正化、(3)開閉頻度の高い部分は自動化し、低い部分は手動とし設備コストを低減する、といった特徴を持つ。
また、同ソリューションで使用される「SenSprout Pro(センスプラウト プロ)センサーシステム」は、東京大学発の電子回路を印刷できる技術「プリンテッド・エレクトロニクス」により、低コストでありながら土壌水分量、地表面温度を測れる土壌センサーと、ゲートウェイ、クラウドサービスがセットになったシステム。
センサーが土に触れている部分(土の深さ10cm、20cm)の土壌水分量と地表付近の気温を測定する。ゲートウェイ1台に対して、センサーを99台まで接続することが可能(半径約150mの範囲内)。取得したデータはリアルタイムに確認でき、生産管理者の多い大規模な農場でもスムーズにデータ共有できるメンバー招待機能や、土壌の変化を自動で検知して知らせる通知機能も備えるという。
農林水産省によると、日本の農業就業人口は、2010年は260.6万人だったのに対し、2017年は181.6万人と7年で約80万人も減少している。さらに、農業従事者の平均年齢は66.6歳と、減少・高齢化が深刻な問題となっている。
そのため同社では、最先端のテクノロジーを利用し「農業を儲かる事業」に変革するべく研究開発を進めており、今回の高機能ビニールハウスソリューションをその第一歩と位置づけているという。
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