このマルチビュー機能のように、顧客の声を実際に聞いて追加・改善した機能は多い。添付ファイルのダウンロード制限などの他にも、「老眼の社員が増えてきたから」との理由で文字入力エリアを大きくした経緯もある。顧客の声をいかに重視しているかが伺える。
とはいえ、ある特定のユーザーにとって必須の機能であっても、それ以外の大多数には要らない機能を闇雲に増やしては問題だ。機能を使わない顧客からコストの不満も出てきてしまう。「例えば『directだけで営業日報を書けないか』という要望があった。しかし、チャットアプリという出自を考えれば、むしろ日報機能を入れ込んではいけない」(横井氏)
そこでdirectでは、チャットボットによってユーザーが独自カスタマイズする道を開いている。例えば日報ボットでは、チャット画面で質問に答えていくだけで、連携する社内グループウェアへの日報入力が完了するという仕組みだ。スマホで撮影した現場の写真、訪問先のGPS情報を添付するなどの応用もできる。
なお、一部の基本的なボットは無料で利用できるが、在庫確認ボット・受発注ボットのような、社内基幹システムと連携する本格的ボットを新規開発することも可能だ。
横井氏は、ビジネスチャットとチャットボットのコンビネーションが、日本流の業務スタイルに大きなインパクトを与えると語る。「営業日報を書くためにわざわざ会社に戻る必要はない。移動中や次のアポの待ち時間など、隙間時間に書けば、浮いた時間を他の営業に回せる」「PC上でのメールとExcelが中心だった働き方が抜本的に変わる」
もちろん、ビジネスチャット自体がまだ新しい概念であるだけに、いざ社内導入する時に「ほぼ完璧だが、どうしても必要な機能が1つだけ足りない。惜しい」となるケースもある。ただ、チャットボットであれば、そのような“すり合わせ”が必要な機能・ニーズを低コストで実現させやすい。
横井氏は最後に、1300社の導入という豊富な実績こそがdirectの武器だとアピール。導入に悩む企業を積極的にサポートしていきたいとし、講演を締めくくった。
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