9月24日~26日、東京都のイイノホールおよび帝国ホテルにて、朝日新聞社主催のフォーラム「朝日地球会議2018」が開催された。
3日目となる26日には、「AI×IoT時代、『人と人の間』はどう変わる」をテーマに、パネルディスカッションが開かれた。登壇したのは、NTTドコモ イノベーション統括部 担当課長の秋永和計氏、東京急行電鉄 取締役常務執行役員 事業開発室長の市来利之氏、東北大学 大学院情報科学研究科教授、理化学研究所 AIPセンター 自然言語理解チームリーダーの乾健太郎氏。コーディネーターは、朝日新聞社執行役員 メディアラボ担当兼メディアラボ室長 堀江隆氏が務めた。
始めにAIやIoTの現状について解説したのは、コーディネーターの堀江氏。堀江氏はまず朝日新聞の記事において、「人工知能」という単語が使われた本数を紹介した。この単語は、1987年には1年間に48本の記事で触れられていたが、2017年には878本、2018年は9月24日現在で750本と、年1000本のペースに到達する勢いであり、ここ数年で登場頻度が大幅に増加しているという。
人工知能という単語の流行について、堀江氏はこれまでに3度のブームがあったと考える。1回目は1960年代、2回目は1980年代。そして3回目が現在、2010年代だ。堀江氏は、この第3次ブームの支えになっているのが、機械学習とディープラーニングであると分析。機械が進展したほか、インターネットに流れるデータ量の爆発的な増加が、今のブームを支えているのではと推察する。
またIoTに関しては、2008年にインターネットに接続しているデバイスが人口を上回ったといい、2020年までに500億個に到達するという。堀江氏は、IoTがこれほど普及した時代には、モノが発信するデータ量は人間の1万倍になると解説。暮らしにも職場にもIoTが広まる時代になるという。
AIとIoTは関連が深く、互いに相乗効果があると堀江氏は語る。IoTがデータを収集し、AIがそのデータを解析、活用することで、さらにIoTデータネットワークが進化する。それによりさらに優良なデータが集まり、AIがさらに進化する、というサイクルが生まれているという。一方で、AIが広がると仕事が失われる可能性もある。米国では、10年もしくは20年のうちに半分程度の仕事がAIに取って代わられるという研究結果を紹介した。このほか、IoTの普及によるプライバシーの確保という問題も指摘される。堀江氏は、このようなAI・IoTの現状や利点、問題点をディスカッションで触れていきたいとした。
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