iFixitは、Appleの新型スマートフォン「iPhone XS」「iPhone XS Max」を入手し、分解レポートを公開した。両モデルの基本性能は変わらず、有機EL(OLED)画面サイズが5.8インチのiPhone XS、6.5インチのiPhone XS Maxといった程度の違いしかなく、発売日も同じ9月21日だったため、iFixitは2台を同時に分解した。
画面とバッテリは、取り外しが容易で交換しやすいものの、分解に特殊なドライバが必要だったり、防水対応のため修理作業が複雑になったりする。ガラス製の背面カバーは割れやすく、交換するにはすべての部品を外さなければならないうえ、シャーシごと全体の交換になってしまい、コストがかかる。そこで、修理のしやすさを0から10の数値(10がもっとも修理しやすい)で表す「Repairability Score」(修理容易性スコア)を、デザインのよく似た先代モデル「iPhone X」と同じ6とした。
既存モデルと同様に、温めて接着剤を柔らかくすると、側面からこじ開けられる。iPhone XS/XS Maxの防水性能はIP68等級で、iPhone XのIP67等級より強化されていたが、接着剤の量などに変化はなく、同じように開けられた。スペックの大差ない両モデルだが、iPhone XS Maxは振動フィードバック用デバイス「Taptic Engine」がやや大きく、基板の形が異なる。
iPhone XS MaxのバッテリはiPhone Xと同様の2セル構造なのに対し、iPhone XSはL字型1セルのこれまでにない形状をしていた。特に、iPhone XSのバッテリは角の一部が丸められており、iFixitはコーナー部に集中する負担の軽減を図ったとみる。 バッテリのスペックは、iPhone XSが3.81V、2659 mAh、10.13Wh、iPhone The XSが3.80V、3179mAh、12.08Wh。iPhone Xは3.81V、2716mAh、10.35Whだった。
基板はiPhone Xと同じく2層構造。Appleは自社開発LSIの採用を進めており、iPhone XS/XS Maxには新たなパワー管理IC「Apple 338S00456」が搭載されていた。また、iPhone Xの「Qualcomm MDM9655 Snapdragon X16 LTE」などこれまでQualcomm製モデムを採用していたAppleだが、今回のモデムはIntelの「PMB9955」だった。
なお、iFixitはiPhone XS/XS Max向けにも恒例となっている壁紙画像を用意した。
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