アドビ、「Premiere Pro」など動画ツールに新機能--アニメーションやVR編集を強化

 アドビシステムズは9月12日、クリエイティブプラットフォーム「Adobe Creative Cloud」に実装する動画編集ツールの最新アップデートを発表した。

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AfterEffectsの深度マップ

 今回のアップデートには、同社のAIプラットフォーム「Adobe Sensei」に基づくアニメーション機能、オーディオクリーンアップツール、セレクティブカラーグレーディング機能、データ駆動型モーショングラフィックテンプレート、エンドツーエンドでのVR180サポートなどが含まれているという。

 新しいアニメーション手法として、「パペットピンツール」を使うことで、コンポジションツール「After Effects」の標準的なアニメーションツールだけで、捻ったり曲げたり拡大縮小を自在にできる動的なシェイプを作成できる。また、Adobe SenseiのAIと機械学習に基づいて、ウェブカメラで撮影した顔と参照用のアートワークを組み合わせて、独自のパペットを作成できる「Characterizer」が「Character Animator」に搭載された。

 さらに、深度パスにより、空間上に3Dオブジェクトを配置したり、奥行きのあるエレメントをシーン内に簡単に追加できるようになったという。

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「パペットピンツール」
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ウェブカメラで撮影した顔をアートワークを組み合わせる「Characterizer」

 オーディオ関連では、波形編集ソフトの「Adobe Audition」のエッセンシャルサウンドパネルに、「DeNoise」と「DeReverb」を追加。サウンドクリップ内のバックグラウンドノイズやリバーブの低減・除去が、効果的に適用されるという。

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「DeNoise」と「DeReverb」を追加

 カラー調整では、動画編集ソフト「Premiere Pro」とAfter Effectsに「Lumetriカラーツール」を新たに追加。勘にたよったカーブ調整を減らし、シンプルで正確なセレクティブカラーグレーディングとカラーマネジメントを実現する。

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「Lumetriカラーツール」を追加

 このほか、データをストーリーに組み込む手段として、Premiere Proのデータ駆動型のインフォグラフィックス作成機能を利用。モーションをテンプレート化した「モーショングラフィックステンプレート」に表計算のファイルをドラッグ&ドロップするだけで、データをビジュアライズ化。動画プロジェクトに組み込めるようになった。

 また、イマーシブ動画(没入型動画)の強化ポイントとして、Premiere ProとAfter Effectsに180度VR動画のサポート機能を追加。取り込みの最適化、エフェクト、YouTubeなどのプラットフォームでの再生に適したGoogleの「VR180」フォーマットでの書き出しが含まれている。

 シームレスな共同作業環境として、チームプロジェクトにグループまたは単独のメンバーが招待可能となった。エンタープライズのアドレス帳からメンバーを選択したり、グループのリストを作成・保存してコミュニケーションが取れるという。

 Adobe StockのUIも進化し、Stockで提供される数百万もの4KおよびHD映像のクリップとプロがデザインしたモーショングラフィックテンプレートが、Premiere ProとAfter Effectsのエッセンシャルグラフィックスパネルから直接検索・並べ替えできるようになった。これらAdobe Creative Cloudの新機能は、本年中に提供が開始される次回のCreative Cloudアップデートに含まれる。

 アドビでは、インターネットで活躍する動画クリエイターのために開発した、世界初のオールインワン&クロスデバイスの動画編集ツール「Project Rush」を6月に発表している。Premiere ProとAfterEffectsの機能も使えるProject Rushは、ウェブ動画の制作と共有を容易にする直感的なユーザー体験を提供。Project RushのプロジェクトはPremiere Proで直接開くこともできるという。Project Rushは現在ベータ版で、2018年中に製品版を提供するとしている。

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「Project Rush」

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