Uber Technologiesは米国時間9月5日、ニューヨークで行った報道機関向けイベントで、ドライバーと利用者の安全性向上を目指した複数の新しい機能を発表した。
発表されたツールの1つは、匿名化機能だ。利用者を目的地で車から降ろした後、ドライバーが乗降した場所に関する詳細な位置情報を保持できないようにするものだ。
Uberはほかにも、人工知能(AI)とドライバーの携帯電話を利用して、車が事故を起こした際にすぐに報告できる新機能「Ride Check」を発表した。ドライバーのスマートフォンに搭載されている加速度計とGPSを利用するという。
ドライバーと利用者双方の安全は、Uberにとって以前から問題となっているテーマだ。春には米国で、少なくともUberのドライバー103名とLyftのドライバー18名が、乗客に対し性的暴行などの問題を起こしたとの報道があった。犯罪者が高度な手法を用いて、ドライバーの口座からお金をだまし取るフィッシング詐欺も起きているという。また、現状のサービスでは、利用者は面識のない人の車に乗り、自らの名前と住所を明かさなければいけないが、これもUberが解決を目指している問題の1つだ。
Uberは、利用者の乗降場所をあいまいに表示する試験プログラムを4月に発表した。5日のイベントでは、この機能を同社のプラットフォーム全体でリリースすると述べた。まず米国で開始し、その後数カ月かけて他の国に広げていく予定だという。
これらの改善策は、共同創業者であるTravis Kalanick氏の後任として、Dara Khosrowshahi氏が最高経営責任者(CEO)に就任してから1年が経過したタイミングで発表された。Kalanick氏は数々のトラブルを起こしていた。
Uberは、こうした改善策の実施に際し、AIを活用している。新しいRide Check機能では、ドライバーが利用者を乗せて走り始めてから目的地に着くまでの全行程をUberが常に監視し、ドライバーが走っているルートや速度、途中で止まっている時間などに注意を払う。
このアプリは、停車時間が長すぎるといった異常を検知できるようなっている。実際に何らかの異常事態が発生すると、Uberの担当者がプッシュ通知をドライバーに送信し、問題が起こっているかどうかを確認する。
また、Uberの製品管理担当ディレクターであるSachin Kansal氏は、停車時にスピードに急激な揺れがあることなどを検知すると、事故が起きた可能性があることをUberの担当者に伝えると説明した。
Uberが発表した新機能には、オンラインで利用者のプライバシーとセキュリティを保護することを目的としたものもある。
ドライバーは、ユーザーの正確な乗降場所ではなく、地図で通りの名前や大まなか場所のみを確認できるようになる。この機能は利用者を保護するもので、利用者はこれまでと同様に、アプリで乗降場所を表示できる。
これまでは、ユーザーがアプリを削除しても、ドライバーはユーザーの乗降場所の情報をいつでも確認できる可能性があったという。
さらにUberは、2要素認証に新たな機能を導入した。これまで、2要素認証はSMSメッセージを使う方法しかなかったが、この方法ではハッカーに不正アクセスされる恐れがあることが既に判明している。Uberは、Duoが提供する2要素認証アプリや「Google認証システム」など、サードパーティー製の認証アプリを利用できるようにする。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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