配車サービスを展開するUberは、乗車中に起きる暴行事件をめぐり批判されてきた。ドライバーによる性的暴行、誘拐、痴漢行為を受けたとする乗客がいる一方で、乗客に攻撃されたとするドライバーもいたと報じられている。
こうした事件の再発防止を目的に、Uberは乗車時の安全確保につながる新機能に取り組んできた。Uberは米国時間5月29日、アプリ内の911緊急通報ボタンを米国内のすべての乗客を対象に提供開始した。同様のボタンが、ドライバーにも2018年夏に提供される予定だ。
Uberの1日あたりの配車件数は百万単位にのぼるが、そのうちのほんの一握りは、危険な状況に遭遇していると報じられている。
Uberはこの問題を認めている。同社は4月、安全性を高める複数の新しいプログラムを開始した。その1つが、ドライバーの審査を厳しくして、経歴確認を年1回実施することだ。乗客が乗車または降車した場所の記録をドライバーに渡すことをやめる、新しいアプリ内機能もテスト中だ。
またそれと並行して、警察からの積極的な捜査の要請に対応する、法執行機関の出身者で構成されるグローバルチームを結成した。
911ボタンに加えて、Uberは、乗客がアプリ内の911ボタンを押した場合に、乗客の位置と乗車情報を自動的に緊急係員に送信する新機能のパイロットプログラムを、7都市で実施する。Uberの安全製品責任者であるSachin Kansal氏によると、応答者が通報者の位置を確認するまでに数分を要する場合が多いが、このアプリの位置情報があれば、緊急係員は助けを求める人のところへ直ちに駆けつけることができるという。
乗客が自分のスマートフォンを操作できず、911ボタンを押せない場合について、同社は引き続き、安全性を目的としたさらなる機能の考案に努めるとKansal氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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