先ごろ、米国の大手スーパーマーケットチェーンKrogerが、Nuroの自動運転車を利用した配送システムのテストを開始する計画を発表したばかりだが、今度は自動運転車の小規模スタートアップが驚きの一般市場デビューを果たすこととなった。
これまでほぼステルスモードで活動していたAutoXは、若くしてプリンストン大学のアシスタントプロフェッサーを務め、学生から「プロフェッサーX」と呼ばれていたJianxiong Xiao氏が創設したスタートアップだ。AutoXは米国時間8月27日、レベル4の自動運転に対応した車両を利用して、カリフォルニア州サンノゼで食料品の配送テストを開始することを明らかにした。さらには、他の場所でも公道テストを行う計画があるという。
資金豊富な自動運転企業の多くが、レーザアレイや高度なセンサを自社の自動運転プラットフォームに採用しているのに対し、AutoXは安価なカメラと独自の人工知能(AI)機能を利用して周囲の状況を把握する(Teslaも自社の「Autopilot」システムにはLiDARではない技術を採用している)。
AutoXは、食料品の配送を手がけるスタートアップGrubMarketと提携して新たなサービスを開始する予定だ。温度管理されたAutoXの車は、食料品を配送先に届けると、トランクを開けてユーザーが取り出せるようにする。2人の元Googleエンジニアが創設したNuroと異なり、AutoXはOEM生産による一般消費者向け車両を改良して自社技術を実装している。
「自動運転車が公道を走るシリコンバレーの中心部で、自動運転車を使った初めての食料品配送およびモバイルストアサービスを開始できることを、とても喜ばしく思っている」と、AutoXの創設者兼CEOのJianxiong Xiao氏は述べている。Xiao氏は、プリンストン大学でコンピュータビジョンおよびロボット技術の研究所の創設ディレクターを務めた後、2016年に大学を離れてAutoXを立ち上げた。「これは、自動運転技術を大衆化するというわれわれのミッションを実現する最初のステップであり、われわれの最先端のAIとそのすべての潜在可能性を証明する機会だ」とXiao氏は述べている。
自動運転の大衆化という考えは、AutoXのDNAに深く刻み込まれている。同社は、Uber Technologies、Intel、Googleなどが支配する市場で、独力で事業を行っている数少ない企業だ。
Xiao氏は2016年、ニュージャージー州プリンストンから家族とともにシリコンバレーに移り、ささやかなシード資金を得てAutoXを立ち上げた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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