Facebookで最高セキュリティ責任者(CSO)を務めていたAlex Stamos氏は、米国外の干渉が米国の選挙にもたらす継続的脅威について身の引き締まるような警告を発し、「2018年の中間選挙のセキュリティを効果的に修復するのはもう手遅れだ」と述べた。ただし同氏は、2020年の米大統領選挙ならまだ救えると考えている。
8月に入ってFacebookからスタンフォード大学に移ったStamos氏は、この話題に精通している。ロシアが2016年の米大統領選挙中にFacebook上で行った選挙介入への対応で、中心的な役割を果たした人物だからだ。Stamos氏はブログ記事の中で2つのニュースを挙げ、それらは「米国の敵が、米国の技術とわれわれが大切にしている自由を利用して米国の民主主義を攻撃することについて、確実かつ効果的であるとまだ信じている」ことを示すものだとした。
Microsoftは米国時間8月20日、同社が先ごろ、複数の偽のウェブサイトを発見して無効にしたことを明らかにした。これらのウェブサイトは、ロシア政府とつながりのあるハッキング集団がサイトへの訪問者をだまして、これらのユーザーのコンピュータをハッキングできるように設計されていた。またFacebookは、イランやロシアから別々に発信されているプロパガンダの一環だった数百件の「偽」のページ、グループ、アカウントを削除したことを明らかにした。
Stamos氏は、ロシアの工作員が何年にもわたって米国の技術やメディア、言論の文化を利用して政治への不満の種をまいていたことを、米政府は理解できないでいると主張する。
「ある意味で、米国は世界に対し、米国がこれらの問題を真剣に受け止めていないこと、および西側諸国に対する情報戦争の加害者はせいぜい軽い罰を与えられるだけで済むことを広く発信しているようなものだ。この失策のせいで米国は2018年の選挙を守る準備ができなかったが、2020年に米国の民主主義を守るチャンスはまだある」(Stamos氏)
2020年の選挙を潜在的脅威から守るStamos氏の改善策には、米議会が広告規制法案Honest Ads Actを改正して、広告のアーカイブに技術基準を定めるとともに、選挙活動や政党による有権者データベースの利用にガイドラインを設けることなどがある。
Stamos氏は、米国が同盟国と連携してサイバーセキュリティ機関を創設し、協力して選挙を守っていくことを強く求めた。同氏はまた、各州が選挙セキュリティチームを設立して、地域の投票システムをハッキングの脅威から守ることを提案した。
「適切な政治的意思と協力によって、米国は、2016年が異常だったこと、世界的情報戦争における最新のイノベーションにとって米国の政界が格好の舞台にはならないことを示せる」(Stamos氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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