8月14日~8月20日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
日本はお盆休み、米国も新学期前最後の休暇シーズンとなり、Appleの話題に限らずニュースが少ない時期となった1週間だ。ただし、この休暇シーズンが終わると、いよいよテクノロジ業界では一つの山となるAppleによるiPhoneの新モデル発表が訪れる。
例年通り金曜日に発売し、最初の週末をまるごと第4四半期決算に含めようとすると、9月30日にAppleの2018年第4四半期が締め日となる関係から、9月21日金曜日が発売日となり得る最終金曜日だ。
逆算すると、9月14日金曜日に予約が開始されることになる。イベントは9月14日以前となるが、2018年は9月3日月曜日がレイバーデー(労働者の祝日)となり、その週の開催は見送られることになるだろう。2017年は9月12日火曜日がイベント開催日だったことから、2018年は9月11日火曜日と予測される。
ただ、9月11日はご存じの通り、米国においては2001年の同時多発テロの日付であり、これを避けるならば前日の10日か、翌日の12日の開催となるかもしれない。
iPhoneの発表が注目される理由はいくつもある。少なくとも、単一のモデルとして世界で最も販売台数が多いスマートフォンであるというだけでも、注目に値するが、理由はそれだけではない。
AppleがiPhoneに対して新しい機能や仕組みを取り入れると、たとえそれがiPhoneが初めてではなかったとしても、向こう数年間、少なくともAppleが自ら代替技術に移行しない限り、業界の標準的な機能や技術、体験となるからだ。
例えば指紋認証は日本のケータイの方が速く取り入れていたかもしれないが、iPhoneに搭載して以降、Androidスマートフォンでも標準的なセキュリティ機能となった。それを待ち構えていたかのように、Appleは2017年のiPhone Xで3D顔認証を紹介した。
Touch IDとFace IDを比べると、誤認識率は5万分の1から100万分の1へと大きく向上した。それだけでなく、Face IDを実現するTrueDepthカメラによって、セルフィのポートレートモードや、アニ文字、Memojiなどの3D絵文字アニメーション機能、表情による楽器のエフェクト操作などを実現し、セキュリティ機能だけだったTouch IDから、汎用的なインターフェースへと昇華した。
これらの技術で似ている点は、他社が同じことを実現しようとしても難しい点だ。Touch ID実現の際には、指紋認証技術企業を買収し、360度で高速指紋読み取りを実現する技術を独占した。またFace IDでは、生産量が少ないVCSELを買い集め、自ら先端製造業ファンドを通じて投資を行い、パーツというサプライチェーン上の優位性を築き上げた。
2018年モデルのiPhoneでは有機ELパネルの採用拡大が予測されている一方で、液晶を用いた廉価版の全画面モデルも期待される。有機ELパネルも液晶全画面パネルも、iPhoneが初めてではないが、前述のTureDepthカメラを収めるためにディスプレイにせり出したいわゆる「ノッチ」のデザインは、既に各社によってコピーされ、全画面スマートフォンのデザインの象徴となっている。
その他にも、スマートフォンの有線・無線の充電方式の変更やペン対応など、iPhoneの仕様の変更が想定されている。特に充電回りでは、既存の充電器からUSB-PDに対応する充電器へと技術的なシフトが起きる可能性があり、スマートフォン他社とともに、アクセサリメーカーにとってもビジネスチャンスが訪れるかもしれない。
夏休み中にシリコンバレーで話題になっていたのが、陰謀論サイト「InforWars」問題だ。陰謀論者として知られ、全米100ものラジオ局に番組を配信しているAlex Jones氏のコンテンツについて、AppleがPodcastディレクトリから番組の大半を削除したことをきっかけに、FacebookはJones氏のFacebookページを停止し、GoogleはYouTubeのチャンネルを凍結した。
Facebookは停止の理由について、露骨な表現や差別的な表現が繰り返され、通報されてきたと説明するが、公開停止のきっかけはAppleのコンテンツ削除の数時間後(しかも未明)だったことから、Appleの対応で堰を切ったように対策を進めた様子がうかがえる。
しかしTwitterは、Jones氏のアカウントに対して、同じタイミングでは対策を取ってこなかった。しかし米国時間8月14日、Jones氏のTwitterアカウントを1週間停止した。直接的な理由は視聴者に「戦闘用ライフル」を取るようあおったためだったが、CNNのリポーターが過去のJones氏の投稿で、Twitterの規約違反を発見し通報したことから、対策を取った。
なおAppleは、InfoWarsアプリについては、App Storeでの公開を続けている。明確なガイドライン違反がない点を挙げているが、この状況が続くことは、Appleにとっても、リスクとなり得る可能性がある。
TwitterのドーシーCEO、陰謀論サイト「InfoWars」騒動への対応について説明(8/20)Appleに関する著名アナリストTF International SecuritiesのMing-Chi Kuo氏のメモによると、Appleの電気自動車「Apple Car」は、2023〜2025年に発売される可能性があると指摘した。
iPhoneと同様か、それ以上の革命を引き起こす可能性を指摘しており、ハードウェアとソフトウェアの統合に加え、大規模な自動車ファイナンス市場への参入によって、著しい成長を遂げると記している。
一方、Appleで知られている自動運転電気自動車の「Project Titan」は縮小されていると伝えられ、Kuo氏とは逆の見方も根強い。しかし、TeslaやWaymoなど、自動運転技術で先行する企業の幹部の引き抜きも相次いでおり、引き続きその動向と、最終的なプロダクトの姿に注目が集まる。
「Apple Car」は2023〜2025年に登場か--アナリスト予測(8/16)時価総額1兆ドルの先を見据えるAppleは、「Apple Car」を2023〜2025年に提供開始する可能性があると、あるアナリストは予測している。
Apple Carは、Appleの「次なる大人気製品」となり、「iPhone」が2007年にスマートフォン市場に革命を起こしたように、自動車業界に革命をもたらすだろうと、TF International SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏がメモに記している。MacRumorsが報じている。
エレクトロニクス業界の競合や自動車市場のどの企業よりも「優れた形でハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合」し、「大規模な自動車ファイナンス市場に参入」することで著しい成長を遂げる可能性もあると、Kuo氏は述べた。
一方で、Appleが「Project Titan」として知られる自動運転車プログラムの規模を縮小したという、同氏の予測と真逆の噂もある。
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