7月24日~7月30日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
先週のCNET Japanでは、めずらしくApple発のニュースが少なかったが、米国時間7月31日の2018年第3四半期決算(4〜6月)発表前は、新製品を含めたさまざまな情報が流れた1週間だった。注目されるのは、9月に発表されるとみられるiPhoneの販売予測だ。
Appleは現在、iPhoneの売上高が6〜7割を占めている。そのため、iPhoneの販売台数と1台あたりの平均価格が、Appleのビジネスの健康状態を表す指標となっている。そのiPhoneの新モデルは例年9月に発表・発売されるスケジュールを保っており、次の四半期、2018年第4四半期(7〜9月)に新製品の初速の一部が含まれ、2019年第1四半期(2018年10〜12月)に販売台数と売上高が最大化する。
新モデルは有機ELディスプレイ備えるiPhone Xの後継となる5.8インチモデルと、それを大型化した6.5インチモデル、これに加えて液晶で全画面モデルを実現する廉価版の3モデルが発売されるとみられており、iPhone 8シリーズ、iPhone 7シリーズは引き続き販売を継続することになるはずだ。
Appleは近年、年間2億1000万台前後の販売台数を維持しており、2018年もこれを維持するなら、平均販売価格の上昇が期待できる有機ELモデルラインアップの拡充から、売上高の上昇が可能となる。
一方スマートフォン市場は、高付加価値モデルが好調な先進国市場を中心に飽和状態となっており、これまでの販売台数を維持できるかどうか疑問も残る。アナリストや投資家にとって、Appleのガイダンスから、このあたりの見極めが注目される。
7月第4週に相次いで発表されたテクノロジ企業の決算は、Amazon以外、さまざまな要因で大幅なクラッシュに見舞われた。Facebookは欧州市場で一般データ規則(GDPR)発効によってアクティビティが低下したことから、これまでの年率50%の成長率が半減するとして、20%もの株価下落を招いた。直近で発表された、中国市場への進出計画も、当局の怒りを買い認可が取り消されたことも悪材料となった。
またGoogleの親会社であるAlphabetは、欧州委員会から、AndroidへのGoogleアプリのプリインストールが競争を阻害するとして、1企業に対しては最大の金額となる43億4000万ユーロ(約5700億円)の制裁金が課され、利益が3分の2近くが削がれている。
7月26日のFacebookの下落で1200億ドルの時価総額が失われたが、Aplphabetは411億ドルが吹き飛んだ。決算発表前のAppleも596億ドルの時価総額が失われたが、その後はAppleの決算が好調だったことから巻き返し、上昇した。
前回の本連載でもお伝えしたように、貿易戦争の激化で、トランプ政権が対中輸入の全てに関税をかけることになれば、iPhoneへの影響は免れず、米国における販売台数の不振などの形で現れることになるだろう。
別の考え方をすれば、2018年、Apple株は一本調子で上昇してきた。前述の7月26日の下落は、一端の利益確定の売りと見ることもできる。本格的なネガティブ材料がでない限り、現在の上昇ペースが崩れるとも考えにくく、当面は次のiPhoneの登場までの間、調整期間と見ておいても良いかもしれない。
Appleは例年、各ラインアップの刷新を行ってきた。2018年に登場した新製品は、2月のHomePod(2018年6月発表)、3月にApple Pencilをサポートした廉価版iPad(第6世代)、7月のMacBook Proシリーズの刷新が既に行われた。
今後予測される新製品は、2018年9月に発表済みのワイヤレス充電マットAirPowerに加えて、年次刷新が期待されているiPhone、MacBook、iPad Proの各製品となる。
iPhoneについては、これまで報じられてきたとおり、iPhone Xの後継となる5.8インチ有機ELディスプレイモデル、これの大型判となる6.5インチモデル、液晶全画面モデルの6.1インチ廉価版が期待される。
またiPad Proについては、10.5インチ、12インチの両モデルがTrueDepthカメラとホームボタンなしというiPhone Xと同じファクターへと刷新が予想され、これまで左側面に用意されてきたSmart Connectorが本体下側面へ移動するとも伝えられた。
MacBookは、MacBook Proの13インチTouch Bar非搭載モデルとともに刷新されなかったが、2018年中にIntelの第8世代Kaby Lake Refreshプロセッサを搭載した刷新が期待される。MacBook Airの撤廃と13インチ廉価モデルの追加という形でのラインアップ整理が行われ、iPadやiMac同様、Proモデルと無印モデルの2つの展開に落ち着くことになるだろう。
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