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ヤフー“第二の創業”に挑む川邊社長--PayPayやデータドリヴンは次の柱になるか

山川晶之 (編集部) 阿久津良和2019年01月03日 13時00分
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 2012年から代表取締役社長兼CEOを務めていた宮坂学氏の後を継ぎ、当時副社長だった川邊健太郎氏が2018年6月にヤフーのトップに就任して約半年が経った。

 川邊氏は、これまで宮坂氏が掲げていた「爆速経営」に代わるテーマとして、ヤフーの各サービスで得られたマルチビッグデータを生かした事業モデルを展開する「データドリブンカンパニー」を新たに掲げている。さらには、ヤフー“第二の創業”として、スマートフォン決済サービス「PayPay」にて、キャッシュレス決済にも参入した。ヤフーの今後について川邊氏に聞いた。

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ヤフー代表取締役社長兼CEOの川邊健太郎氏

ネットに閉じたビジネスは“やり尽くした”

――2012年から2018年までの宮坂体制に代わり、川邊体制がスタートしました。どういった大きな変化がありましたか。

 宮坂体制の6年間における大きな変化は2つあります。1つはスマートフォンシフト、もう1つは「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」といったECの強化です。前者は完璧ではないものの、PCからスマートフォンに主流が代わり、PCで強かったサービスがシェアを落とした時もありましたが、ユーザー数拡大など回復し、一定の結果を残しています。後者も取扱高の成長率は顕著で、我々の中では競合他社を猛追しています。

 その上で、新体制下で重視したのが「元気な未来を築いていくヤフー」を目指すことです。未来と言っても、ネットに閉じた世界で20年以上ビジネスをしてきたので、やり尽くしたといっても過言ではありません。世界的な潮流でもありますが、インターネット技術を用いてリアルの世界に進出することで、ヤフーは新しいものを提供する会社というイメージを持ってもらいたいのです。その第一弾がモバイルペイメントです。

 これに加えて既存のサービスも強化します。ある種、社員の“勘”でサービスを強化していましたが、なるべくデータドリブンとAIの力で実現できるよう、エンジンを切り替えます。

――「Yahoo!ショッピング」はキャンペーン施策を重ねることで大きくユーザー数を伸ばしたように思います。ソフトバンクとの連携強化が大きく影響しているのでしょうか。

 Yahoo!ショッピングなど、我々のサービスを多くの方に使って頂きたいと考えた際、ヤフーが自らの優位性を示すのではなく、ソフトバンクからソフトバンクユーザーへのアプローチを重ねることで相乗効果が生まれます。ソフトバンク側も大手3キャリアのなかで価格帯やサービス内容が似通ってきており、OTT(Over The Top)にシフトするなど、競争の場が変化しています。そこで明確な差別化を生み出せる要素がヤフーだと思っています。

 PayPayはソフトバンクとのジョイントベンチャーとして立ち上げており、一緒になって盛り上げていきます。また、ソフトバンクグループでは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を2017年5月から展開しています。世界中のユニコーン企業に出資し、成功しているビジネスモデルを日本に持ち込むなど、ソフトバンクと連携する機会はますます増えていくでしょう。

――ヤフーでは、すでに「Yahoo!ウォレット」を展開していましたが、なぜ「PayPay」を新たに立ち上げたのでしょうか。

 決済で成功するには、利用者が使いやすいUIや決済完了までの応答速度の速さなどの知見が必要となります。今後もキャッシュレス化の波は広まるでしょうが、応答速度やスケーラビリティ、店舗管理ツールなど研ぎ澄まされたものを提供した方が、ゼロからキャッシュレス化を推し進めるより有利でしょう。

 そのため、インドで数億人が使用するPaytmの技術を採用した方が、ユーザーの利便性や競争優位性が高いと考えました。

――他社も含めてキャッシュレス決済が盛り上がる中、PayPayが競合に勝るポイントはどこでしょうか。

 サービスの普及は大きなインフラ投資に例えられるでしょう。我々は長期戦になると考えていますが、過去にはYahoo! BBのADSLというインフラを多くのユーザーに提供してきた経験があります。今回はその責任者と、EC店舗拡大の陣頭指揮を執った2人で新たなチームを結成しました。ADSLやECで培った知見が生きてくるでしょう。

 また、店舗側から見れば、ヤフーとソフトバンクの決済というブランドイメージも大事ですが、UX全体から未来感を得られないとキャッシュレス化は普及しません。何らかの期待がないと、現金から移行することは難しいでしょう。ヤフーでは、ホテル・旅館予約の一休.comや、レストラン・居酒屋予約のYahoo!ダイニングなど、検索から支払いまで一気通貫したサービスを提供しており、こうした点が強みになると考えています。

 また、実名投稿のグルメサイトであるRettyや一休.comによる店舗情報は膨大な数に及びます。この部分をリアルに強いオケージョン作りに生かし、レストランと旅館といった手持ちの資産をまずは使いつつ、モバイルペインメントが利用できるシーンに対してUXの改善を目指します。

「100億円あげちゃうキャンペーン」の効果は

――PayPayでは、12月4日から「100億円あげちゃうキャンペーン」を展開し、大きな話題となりました。このキャンペーンは川邊氏も携わっていたのでしょうか。

 PayPayの中山社長、ソフトバンクの孫会長(同社取締役会長の孫正義氏)や宮内社長、ヤフーの私など、上層部と現場とで激しい議論をしながら企画を練りこんでいきました。

――家電量販店など対応店舗では、連日買い物客で賑わい、開始10日でキャンペーン終了となりました。一方で、さまざまなトラブルなども問題となりました。キャンペーンの手ごたえはどうでしたか。

 今回のキャンペーンでは、予想を上回る多くのユーザーにご利用いただいたことでトラブルが起きてしまい、お客様をはじめ、店舗の皆様などにご迷惑をお掛けしてしまいました。一方で、予想以上の方にご利用いただけたことは嬉しく思っており、手ごたえを感じています。

 モバイル決済サービスは、最初の利用に対するハードルが高いのですが、今回のキャンペーンをきっかけに多くの方に“便利さ”を体験してもらえたと考えています。便利なサービスは一度使い始めたらなかなか元には戻れません。今回のキャンペーンで、PayPayをご利用いただいた方々には、引き続き使っていただけるような施策を打っていくことと、まだ使っていただけていないユーザーにも使ってもらえるように、今後もお得なキャンペーンを企画していきます。

 ちなみに、私はファミリーマートで764円の買い物をしたところ、全額戻ってきました。

――川邊氏は以前、PayPayを「もう一つのヤフーを作る意気込みで挑む」と述べていました。

 本質的に重要なことはPayPayをどこでも使える便利なモバイル決済サービスにしていくことです。便利さをユーザーに体感してもらうために、各種キャンペーンをこれからも行っていきたいと考えています。いずれにしても、第1四半期の決算説明会でお話しした「もうひとつヤフーを作る意気込みで挑む」については、緒についたばかりだと考えています。

PayPayの名前の由来は「Payを印象付けさせたい」

――「PayPay」というネーミングの由来を教えてください。一部で「PayPal」に似ているとの指摘もありますが。

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