「Google Earth」で地球探検の旅に出かけよう--小学生親子向けに体験講座

朝小サマースクールで開催されたワークショップ「Google Earthで地球探検の旅に出かけよう」
朝小サマースクールで開催されたワークショップ「Google Earthで地球探検の旅に出かけよう」

 朝日学生新聞社主催の小学生親子向けイベント「朝小サマースクール in 昭和女子大学2018」が8月8日に開催された。毎年、夏休みの時期に東京や大阪などで開催されている同イベントでは、主に小学生とその保護者を対象に、自由研究に役立つさまざまなワークショップが開かれる。

 同日には、そのプログラムの1つとしてグーグルとCNET Japanが共同で地図ソフト「Google Earth」のワークショップを実施。Google Earthで世界中の衛星写真を見る基本的な使い方から、ライブ動画やタイムラプス画像など一歩踏み込んだコンテンツまで紹介し、集まった子どもたちに“地球探検”の楽しさを伝えた。

ホッキョクグマのライブ映像に大興奮

 「Google Earthで地球探検の旅に出かけよう」と題して開かれたワークショップは、セミナー形式で進められた。講師は日本のグーグルでGoogle Earth Outreachのプログラムマネージャーを務める松岡朝美氏。Google Earthの画面をプロジェクタで大きく映しながら、子どもたちやその保護者も楽しめる使い方を丁寧にレクチャーしていった。

グーグル合同会社 Google Earth Outreach プログラムマネージャーの松岡朝美氏
グーグル合同会社 Google Earth Outreach プログラムマネージャーの松岡朝美氏

 ワークショップでは、まずは子どもでもよく知っている東京タワーやエベレスト周辺を表示し、2D表示と3D表示を切り替えたり、南極のストリートビューでペンギンの群れを観察したりした。また、「みんなが知らない場所へ連れて行きたいという思いで開発した」と同氏が語る「I'm Feeling Lucky」機能で、ランダムに世界各地を巡ることができることも紹介。建物の外周や面積を簡単に計測できる機能も合わせて説明した。

建物の周囲を距離計測しているところ
建物の周囲を距離計測しているところ

 「みんなが知らないモノ、ヒト、コト」を伝えるために用意したというコンテンツ「Voyager」も紹介した。画像と文章で物語のように世界について学べるものだが、さまざまなテーマの中から松岡氏が最初に選んだのは「おかえりが聞こえる」。多くのユーザーが、Google Earthを初めて使った時に、一番最初に自宅周辺を検索することにヒントを得て、用意したストーリーなのだという。

 この「おかえりが聞こえる」にアクセスし、ペルー・チチカカ湖上の葦でできた家と、そこでの生活の様子がうかがえる内部の360度写真を紹介。写真からはモノクロテレビを設置していることもわかる。日本から遠く離れた土地でも同じように家族でテレビを見ていることなどを知ることで、世界中の人々がより身近に感じられるのではと松岡氏は話す。

Voyagerの「おかえりが聞こえる」
Voyagerの「おかえりが聞こえる」
チチカカ湖の上に立てられた家の内部。モノクロテレビがある
チチカカ湖の上に立てられた家の内部。モノクロテレビがある

 さらに、Voyagerで北極圏のライブ映像を再生。その映像のなかで動くホッキョクグマの姿に、子どもたちや保護者だけでなく、松岡氏も思わず「私もこんなに接近しているのを見るのは初めて」と大興奮。さらに、金星や木星にある地形や風景と同じ成り立ちのものが地球上でも見られることがわかるテーマ「地球で巡る太陽系の旅」なども披露した。

ホッキョクグマの映像に大興奮する松岡氏
ホッキョクグマの映像に大興奮する松岡氏
日本の阿蘇山周辺は金星にある山と同じカルデラをなしている
日本の阿蘇山周辺は金星にある山と同じカルデラをなしている

自然環境保護の取り組みをVoyagerで知る

 続いて解説したのは、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」について。持続可能な世界を目指すため、2030年までに国連加盟各国が達成すべき17の目標を掲げたもので、Googleも国連組織とパートナーシップを結び、地球の環境データに基づくデータベースや情報プラットフォームの分野でSDGs達成に向け協力している。

SDGsの17の目標
SDGsの17の目標

 今回のワークショップでは、その17ある目標のうち「陸の豊かさを守ろう」という項目をピックアップ。それに関連して、世界中の干ばつ被害や人間による自然破壊の深刻さがはっきりと認識できる“映像”を「Google Earth Engine Timelapse」で見られることを紹介した。同機能は、過去40年間分の衛星写真と膨大な画像処理により雲1つない衛星写真を得ることで、地形の変化をアニメーションで容易に把握できるようにしたものだ。

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