台北に本社を置くStarVRはカナダで現地時間8月14日、エンタープライズ向けの仮想現実(VR)ヘッドセット「StarVR One」を発表した。より大きな注目を集めるコンシューマー向けVR技術に比べ、企業向けヘッドマウントディスプレイは発展途上のハードウェアカテゴリだが、この成長分野に投入されるStarVR Oneは、視線追跡を搭載し、人間の視野角をほぼ100%カバーできることを売りにしている。
StarVR Oneの水平視野角は210度で、これは人の自然な視野に相当する。つまり、個人ユーザー向けや企業向けの現行ヘッドセットの大半に欠けている、周辺視野を再現したヘッドセットということになる。
周辺視野を正確にシミュレートすれば、より現実に近く没入感のあるVRのシナリオが可能になり、フライトシミュレーションや、重機を操縦する技術者の訓練などの用途を中心にメリットがある。
StarVRの最高技術責任者(CTO)、Emmanuel Marquez氏は次のように述べた。「StarVRは、自社のイノベーションの伝統を継続し、企業向け品質のVR体験に立ちふさがる障害を克服していく。当社は、真の事業判断と価値創造を支える新時代のリアリズムに向けて、画期的な技術を届ける先駆けとなる。StarVR Oneヘッドセットによって、VRの最後の開拓前線である法人市場を制する」
法人市場は、拡張現実(AR)やVRの最初の開拓前線と言うほうがより正確かもしれない。コンシューマー向けの応用は増えているが、大部分がゲームに限定されている。これに対し企業では、操縦や安全の訓練、セールスとマーケティング、さらには人事などの分野を中心に、VRの導入が急速に広がっている。
DAQRIの製品やHTCの「VIVE Pro」のような企業向けヘッドセットは、急成長しているそうした市場に対応するものだ。作り直された「Google Glass」も、エンタープライズ最優先のARヘッドセットとして目覚ましい第2幕を迎えている。
今回の発表は、コンピュータグラフィックスに関する年次カンファレンス「SIGGRAPH 2018」でなされたもの。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス