フェイスブック ジャパンが初の行政連携--神戸市と地方創生を支援

神戸市長の久元喜造氏(左)とフェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋氏(右)
神戸市長の久元喜造氏(左)とフェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋氏(右)

 神戸市とフェイスブック ジャパンは7月30日、全国初となる「地域経済・地域コミュニティ活性化に関する事業連携協定」を締結。8月からの実施に先駆けて、神戸市長の久元喜造氏とフェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋氏による締結式が開催された。

 神戸市職員や市民、中小企業を対象に、FacebookやInstagramの活用を活性化するセミナーやワークショップをフェイスブック ジャパンの協力で開催し、地域経済やコミュニティの活性化を図る「コミュニティの力、起動!」プロジェクトを開始する。第1弾として9月8〜16日を「#Kobeブルーウィーク」と題し、(1)市政情報発信支援プログラム、(2)地域経済活性化促進プログラム、(3)コミュニティ活性化促進プログラムという、3つの支援プログラムを集中的に実施するという。




 その中で予定している「Facebook Marketing Boot Camp」と「Facebook Blueprint Live」は、フェイスブック ジャパンが2015年から中小企業やスタートアップ向けに実施してきたセミナーで、同日からウェブサイトで募集を開始している。ほかにも、シニアを対象にした「#100年ずっ友プロジェクト」や、青少年向けの安全利活用セミナーなどを実施。将来的には女性の起業促進を支援するイベントの開催も検討している。


 神戸市は以前からFacebookやInstagramを利用しており、特にInstagramは行政の中でも活用が進んでいることから、Instagram最高製品責任者のケビン・ウェイル氏が2017年10月に神戸市を表敬訪問している。ただし、神戸市の公式ページは87タイトルあるが、相互に連携しておらず縦割りで運用されていたことから、より活用につなげたいという久元市長が同氏にアドバイスを求めたことが今回の締結につながった。

 久元市長は協定締結によって「ソーシャルネットワーク活用スキルの向上で情報収集ツールとしても活用し、市民のメリットにつなげることが狙い。新しいコミュニケーションの1つとして提案することで、地域コミュニティの活性化や経済成長にもつなげたい」と期待を寄せた。

「地域コミュニティの活性化や経済成長にもつなげたい」と久元市長
「地域コミュニティの活性化や経済成長にもつなげたい」と久元市長

 「行政との連携による地方創生支援を本格展開するのは今回が初めて」と説明するフェイスブック ジャパンの長谷川社長は、2017年6月にグローバルミッションの変更があり、日本でもコミュニティ支援を強めるという流れが背景にあったと説明。「日本語版サービスインから今年で10周年を迎え、『可能性をつなぎ、かがやく日本へ』をテーマに、人と人とのつながりを生み出し、地方にポジティブなインパクトを与えることを目指してきたわれわれの活動と神戸市の課題がつながった」と語った。

「行政との連携による地方創生支援を本格展開するのは今回が初めて」と長谷川氏
「行政との連携による地方創生支援を本格展開するのは今回が初めて」と長谷川氏

 また、長谷川氏は神戸市の課題と地域自治体との連携を進める理由について、「地域に根ざした問題や課題をコミュニティとテクノロジの力を使って解決につなげることは、われわれにとっても成長につながると考えている」とコメントし、地域に密着した連携を目指すことを強調した。

 提携期間は8月から1年間だが、継続的な支援を行うことが両者間で話し合われており、年度更新で関係を続けていきたいとしている。#Kobeブルーウィークも今後の活動目標や課題の洗い出しをするのが大きな目的の1つで、それ以降の活動については随時発表される予定だ。

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