ITを活用するスタートアップ支援に力を入れる神戸市は、開発者の間で人気のあるウェブサービス「GitHub」を実践的に体験できるワークショップ「GitHub Patchwork meets KOBE」を開催した。
GitHub Patchworkは、GitHub初心者を対象に、メンターのサポートを受けながらオンライン教材「Git-it」を一緒に学ぶというイベントだ。神戸では2年前に開催されているが、自治体での主催は初めて。GitHub Japanのカントリーマネージャーを務める藤田純氏が、神戸市が利用するコーポレートフェローシップ(IT技術を活用した地域課題の解決をめざす団体「Code for Japan(コード・フォー・ジャパン)」が、自治体に民間IT人材を派遣するプログラムで、2015年の開始から藤田氏で6人目を迎える)に参加したのが開催のきっかけ。「自治体の活動支援に取り組みたいと考えていた時に神戸市を紹介された。6月から3カ月間、週に1度のペースで意見交換しているが、施策に対する本気度が高く、たいへん勉強になる。Patchworkのようなイベントをはじめ、スタートアップやコミュニティの支援でも連携の可能性があると感じている」とコメントしている。
これまで、主にエンジニアや開発初心者向けに実施されてきたPatchWorkを「スタートアップとエンジニアの出会う場にする」ミートアップスタイルにしようというアイデアは、本プログラムを通じて生まれた。「GitHubというサービスを知るだけでなく、オープンソースコミュニティの存在や考え方を知ってもらうことで、新たな交流へとつなげてほしい」と藤田氏。
イベントでは、GitHubをインストールしてから体験するという従来のプログラムに加え、神戸市のスタートアップ支援の取り組みや、GitHubやオープンソースの歴史なども紹介された。主催した神戸市の林順子新産業創造担当係長は、「プログラミングやコードに興味はあるけれど、実際にさわってみる機会がなかった私のような人たちにとってPatchworkはぴったりのイベント。市だけでは開催できないが、藤田氏やメンターとして地元で活動するCode for Kobeのメンバーが協力してくれたおかげでスムーズに開催できた。これでコードが書けるようになるわけではないが、オープンソースやコミュニティといった、ソフトウェア開発を取り巻く状況について少しでも知る機会になったと感じている。今後も支援策の一つとして位置付けていきたい」と話す。
これまでのPatchworkに比べると参加者の層も幅広く、会社員や神戸市のスタートアッププログラム参加者など、約40名が参加した。神戸市のスタートアップオフィスで支援を受けているCompassの大津愛さんは、「GitHubの存在は知っていたが、使ったのは初めて。仕事でエンジニアに開発を依頼することもあるので勉強しようと参加したが、GitHubやオープンソースについても知ることができ、思わぬ勉強ができた」とコメントしている。
GitHub Japanでは、コーポレートフェローシップ終了後も神戸市との交流を続け、今回の経験を他の自治体との交流へも拡げていくことを目指す。また、Pathworkや勉強会については、開催したいというコミュニティからの要望があればできるだけ支援いきたいとも話している。
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