日本ユニシスは7月26日、ユーグレナと共同で「IoTビジネスプラットフォーム」と「Rinza」のAI技術を活用し、バイオ燃料用ミドリムシの生産量予測などを行う研究を8月1日に開始すると発表した。
同研究では、ユーグレナの研究施設である三重県多気町の藻類エネルギー研究所において、バイオ燃料用ミドリムシの生産量の安定化や屋外大量培養における管理コスト削減を目的とした実証実験を実施する。
日本ユニシスは、ハイパースペクトルカメラやセンサ群を活用し、培養プール内の状態を可視化するために、IoTビジネスプラットフォームを活用したセンシング基盤を構築する。これにより、ミドリムシの成長状況などの生産管理に必要な情報をリアルタイムで把握できるようになるという。これらの情報を定常的に取得してデータを蓄積し、Rinzaを活用して解析していくことで、天候など変化する環境要因に連動した藻体生産量予測のための増殖シミュレーションモデル構築を目指す。
ユーグレナは、日本ユニシスのセンシング基盤を活用することで、天候による生育状況の変化に関する情報や、培養プール内の状態を示す各種センサ群のデータの安定取得を行う。また、従来行っていた担当研究員の定期見回りによるデータ回収と分析、管理に比べ、情報取得から管理までの工数削減が見込まれることより、運用コストの削減を目指す。
昨今、いかにエネルギーを多様化し安定的に確保していくかが社会課題となっており、持続的再生可能エネルギー源としてバイオ燃料に注目が集まっている。しかし、サトウキビやトウモロコシ、パームなど従来のバイオ燃料の原料は、食料と競合するために食料価値の高騰を招くなどの問題点があると同社では説明する。
ユーグレナが研究を進めるミドリムシ(学名:ユーグレナ)などの藻類は、これらの問題を克服できる可能性があり、新しいバイオ燃料の原料として注目されているが、安定かつ低コストで大量培養できる方法を確立させることが大きな課題であり、そのためには天候などに左右されやすい屋外培養における生産管理と生産予測を実現が重要となっていたことから、今回の共同研究に至ったという。
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