今後、食料品店でもスマートフォンを利用することがはるかに増えるだろう。Dent Realityという企業が開発しているARアプリは、食料品店にいる顧客に、商品の情報や店内のどこにあるかをリアルタイムでガイドする。このアプリはコンピュータビジョンと店舗内トラッキング機能を使って、顧客が自分の必要な食料品を見つけられるように支援する。
このようなアプリが今後たくさん登場する可能性が高い。食品メーカー各社にとって、それは、新たなプロモーションの機会、そして、大手ブランドが資金を投じて有利な商品陳列にしてもらうという従来の仕組みが変わるかもしれないことを意味する。
広告は、ARが最も大々的に導入されている業界の1つだ。Facebookは2018年4月、アプリ開発者に向けた機能の1つとして、特定の場所でAR体験を呼び出すようにするというARエフェクトを公開した。
潜在的な用途はたくさんあるが、まずは現実世界でのユーザーに対するマーケティングが最も多く登場するだろう(Facebookは映画「レディ・プレイヤー1」のプロモーションでこのコンセプトをテストした)。
私たちがレストランや店に入るたびに、宙に浮かぶ広告や販売キャンペーン広告を目にする日が来るのは、それほど遠くないのかもしれない。
オンライン小売りの最大の弱点は昔からずっと変わっていない。それは、事前に試せないということだ。だが、購入前にバーチャルで服を試着できるようになったらどうだろうか。
それこそ、バーチャルな試着室の機能を持つアプリが約束していることである。これらのアプリで、顧客はその服を着た自分の姿をAR機能で購入前に見ることができる。このテクノロジは近い将来、オンラインショッピングの悩ましい問題を解決してくれるかもしれない。つまり、モデルの写真しか判断材料がない状態で、その服が自分に合うかどうかをどう確認すればいいのか、という問題だ。
IDCによると、ARとVRの製品およびサービスは2018年に270億ドル(約3兆円)規模に達するという。2017年に比べると、約90%の増加だ。大まかに言うと、ARとVRの企業向け市場は2022年までに560億ドル(約6兆2000億円)規模に達する見通しである。一方、消費者向け市場は530億ドル(約5兆9000億円)に達する可能性がある。
そのためには、開発者がARとVRを目新しい技術という段階から卒業させて、「大きな期待」を超えて普及させていく必要があるだろう。現在、さまざまな業界でARとVRが積極的に活用されていることを考えると、それが実現する可能性は十分にありそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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