警視庁の発表(PDF)によると、日本でもSNSによる児童買春や児童ポルノ事案が増えている。資料に公開されているものは、あくまで表沙汰になった一部の事例と考えられる。SNSによって10代と大人が手軽につながれるようになったため、結果的に被害に遭う児童も増えてしまっているのだ。SNSによる被害の拡大は世界的なものであり、Instagram援助交際はあくまでその一部というわけだ。
Instagramで援助交際をしているのは香港の10代だけではなさそうだ。「#援助交際」「#パパ活」などのハッシュタグを見ると、数こそ多くはないが日本語による日本人らしき投稿が出てくる。そのほか、「#裏垢」「#裏垢女子」などのハッシュタグを利用してやり取りしているようだ。
Instagramでは副業詐欺が流行しているが、それと同様に、業者らしきアカウントもあった。「身バレなし、ノルマなし、急遽参加OK、友達と一緒に参加という、やらなきゃ損なお小遣い稼ぎです」というコメントが、ブランド品などの写真につけられていた。お金をもらって飲み会に若い女性が参加することを指す「#ギャラ飲み」「#タク飲み」などのハッシュタグもついている。
Instagramの使われ方は海外でも日本でも思わぬ広がりを見せている。Instagramでは、関連ハッシュタグを見ていくことで、思わぬ投稿に行き着いてしまうことがある。今回ご紹介したように、中には違法サイトやフィッシングサイトなどに誘導する業者アカウントも多く、10代にとって危険が少なくない状態だ。10代におけるInstagram人気は高まっているが、保護者は子どもがそのようなリスクに対面していることを知り、適切に見守っていくべきだろう。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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