相手に分かりやすく伝えることは、ビジネスで必要不可欠な技術の内の1つと言えるが、それは、文書やメールなどの「書いたもの」に限らない。日常業務では、むしろ、口頭で説明することの方が多い。その場合、よく考えて書くことのできる文書とは違い、その場ですぐに発話しなければならないことがほとんどだ。それが得意とは言えないまでも、苦手ではなくなることには、大きな利点がある。
本書では、まず、下手な説明の「どこが下手なのか」その問題点を解説している。ここが相当に詳しいため、なぜ自分の説明ではだめなのかを発見しやすい。次に、上手な説明のポイントについて、こちらも丁寧な説明がある。最後に、最も重要な「練習(トレーニング)」方法についてじっくり書かれている。
分かりやすく説明する技術は、一朝一夕には身につかないが、意識して練習していくことで、誰でも格段に説明上手になれる技術でもあるのだ。筆者がテクニカルライターになりたての頃は、このように分かりやすい本はほとんどなく、四苦八苦しながら説明の技術を身につけたが、当時本書があれば、泣くほど苦しまなくても良かったかもしれない、と思うと少々くやしい。
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