会議の議事録といえば、文章で書くのが普通であるし、会議中にホワイトボードに議題や要点を書く場合は、文字で書くのが普通だろう。しかし、それで、本当に議論の中身が、全員で共有できているのだろうか。発言者の意図したことが、聞き手にきちんと伝わっているだろうか。こうした疑問を解決に導いてくれる新しい手法が、議論の中身を図や絵で表す「グラフィックレコーディング」だ。
言いたいことを絵で表すなど、絵が得意な人でないと無理だと思うかもしれない。では、言いたいことを文字で書いてきて、果たしてそれで分かってもらえていたのか、自信が持てる人がどのくらいいるのか。ならば、絵や図で伝えようとしてみることには価値があるはずだ。絵の場合、一目見たときに、目の中に飛び込んでくる情報量が、文字よりも多い。これをうまく利用すれば、簡単な絵でもキーワード(文字)と組み合わせることで、充分に相手に伝わる内容を表せるようになる。
グラフィックレコーディングを実践するためには、ある程度の訓練が必要だが、これに慣れたなら、新しいアイデアを生み出す議論の場を持てるようになりそうだ。本書には、グラフィックレコーディングに慣れ親しむための訓練方法のほか、多くの事例が丁寧な解説付きで掲載されている。惜しむらくは、字やグラフィックレコードが小さい。ビジネス書に多い判型に合わせてあるため、解説の文字や事例のグラフィックレコードが、非常に小さくなってしまっているのだ。できれば、もう一回り大きなサイズの本で読みたいところだ。
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