App StoreはiPhoneの成功にどの程度貢献しているだろうか? 一言で言えば、非常に、だ。アプリこそが、iPhoneを電話以上のものに変えた。アプリがユーザーをデバイスにつなぎ留めている。Flurry Analyticsによると、米国ユーザーは1日に約5時間iPhoneを使う。comScoreによると、デバイスに費やす時間の88%はアプリ利用が占める。
専門家は、BlackBerryとMicrosoftのモバイル事業の失速の原因は、アプリ開発者の支持を得られなかったことにあるとしている。世界最大のスマートフォンメーカーであるサムスン電子でさえ、自社製スマートウォッチおよびテレビ向けOS「Tizen」に開発者を呼び込むことに苦労している。Apple以外で成功しているモバイルプラットフォームはGoogleの「Android」だけだ。Androidのアプリストア「Google Play」は380万本のアプリを誇る。
かつての携帯電話では、電話をしたりテキストメッセージを送ったり、ゲームの「Snake」で遊んだりしたものだ。だが、現在のスマートフォンはかつてのコンピュータより高性能な、ハイテク万能ナイフのようなものだ。
初代iPhoneには、ウェブブラウザと使いやすいメールアプリがあった。だが、デバイスを手に取らせるのは多様なアプリだ。「マップ」は行き先確認に役立ち、「Spotify」で音楽を聴き、「Netflix」で外出中に映画を鑑賞できる。
それだけではない。想像できる限りのアプリが存在し、そこには20万本の教育関連アプリも含まれる。そして、国によっては、コンピュータやタブレットを所有しない人々がネットワークへの接続をスマートフォンに頼っている。
App StoreがなければUberの登場はなかっただろう。Instagramもだ。開発者は、まずコンピュータ向けに開発したアプリをモバイルに持ってくるのではなく、モバイルデバイスに特化したアプリを開発するようになった。こうした「モバイル第一主義」のおかげで、上記の企業は膨大なユーザー数を獲得した。
App Storeはまた、開発者がアプリを開発し、公開する方法を簡易化した。iPhoneユーザーが目的のアプリを簡単に見つけられるようにもしている。そして、AppleはApp Storeに登録するアプリを厳しく審査しているため、ユーザーは安心してダウンロードできる。
ポッドキャストアプリ「Overcast」の開発者であるMarco Arment氏はAppleの発表文に寄せて「App Storeは最初から、開発者にとってアプリをユーザーに届けるための最も簡単な方法だった。App Storeは配布や決済システムを構築する手間を省き、誰にとっても開発しやすい環境を提供してくれるので、われわれ開発者は最良のアプリを構築するという本来のやりたいことに集中できる」と語った。
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