パナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーの3社が、渋谷駅新南口エリアに、「100年先の世界を豊かにするための実験区」としてオープンした「100BANCH(ヒャクバンチ)」が開設1周年を迎える。それに伴い、100BANCHでは「未来をつくる公開実験」として、7月8日まで「ナナナナ祭」を実施。内容やこの1年間を振り返る説明会を開催した。
100BANCHは、2017年7月7日にオープン。パナソニックが創業100周年を迎えるにあたり、次の100年につながる新しい価値の創造に取り組むための施設としてスタートした。1階をカフェ、2階をガレージ、3階をロフトと名付けた3階建てで、2階のガレージは若手起業家向けにワークスペースとして提供。35歳以下の若手リーダーのプロジェクトを推進する「GarageProgram」を設け、スタートアップを支援している。
パナソニックコーポレート戦略本部経営企画部未来戦略室の則武里恵氏は「パナソニックではいろんな人とコラボしながら次の時代を作っていきたいと考えている。35歳以下にフォーカスしたのは、パナソニックは創業者である松下幸之助が23歳で始めたベンチャーだったから」と理由を話した。
GarageProgramは、毎月応募を受け付けており、採択基準は、現在22人いるメンターのうち1人でも「応援したい」と思うこと。3カ月間、Garageが無料で使えるほか、メンターからアドバイスを受けたり、Garage内でともに活動するグループとコラボレーションが生まれたりと、プロジェクトを促進できる環境を提供する。
1年間で約300件の応募があり、採択されたプロジェクトは67。現在は約30のプロジェクトがGarageProgramに参加している。期限となる3カ月後には成果発表を控えるが、展示会、トークショー、作品の発表など、最終の成果物の形態は問わない。
ナナナナ祭には、GarageProgramを卒業したプロジェクトも含め、30を超えるプログラムを公開。2~3階にエキシビジョンエリアを設けるほか、1階のカフェ「LAND Seafood」にも、展示スペースを設ける。会期中は言語に関わる4つのプロジェクトの代表が登場する「未来の言語」(7月5日19時~)やアーティスト和田永氏が古い電化製品を電子楽器として蘇生する「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」(7月7日13時~)などのイベントも開催する。
ロフトワークCLOの松井創氏は「個性的なプロジェクトが集まっている。個々のプロジェクトも面白いが、横同士が交わることで突然変異することもある。100BANCHの1周年を記念してお祭り形式で発信していきたい」と見どころを話した。
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