Uberが、安全性を考慮してルートを選択するナビゲーションシステムの特許を出願した。出願書を見ると、この技術を利用すれば、ユーザーは最も高速なルートや最適なルートよりもおそらく安全なルートを選択できるようだ。この技術は、犯罪統計データや学術データベースからソーシャルメディアへの投稿まで、さまざまなデータを考慮する。
この技術を利用して、乗降場所を微調整することも可能だという。特許出願書には、「運転手や乗客の安全に関連する事故の発生件数、街灯や待避所の有無などを基に、安全な地域を特定することができる」と書かれている。
この技術では、各運転手の自動車の製造年、種類、型式といった基本的な情報も考慮することが可能だという。乗客とUberの運転手の間で安全性に対する基準が異なる場合、この技術は乗客の望む基準に最も合致する自動車の所有者を探し続ける。
これらの機能のいくつかは、乗車体験を改善できるかもしれない。例えば、スポーツの試合が終わったばかりの地域を避けた方がいいと判断した場合、このシステムは、熱狂した人々でごった返す場所から乗客と運転手を遠ざけることができる。より安全な乗降場所を見つける機能は、交通渋滞の改善や、乗車前と降車後の乗客の安全性の向上に寄与するかもしれない。
しかし、この技術はあまり好ましくない目的に利用される可能性がある。Microsoftが2012年に取得した同様のGPS関連特許のように、このシステムが「スラム街回避」機能として使われる可能性もある。Microsoftは自社の技術がスラム街回避機能と呼ばれることを不本意に感じたに違いない。本来意図された機能ではないにせよ、明らかに階級主義的または人種差別的な目的に利用可能な技術を手に入れることは、Uberの望んでいることではないはずだ。Uberは既にさまざまな論争に巻き込まれている。
自動車をベースとする安全性の評価についても、同じことが言えるかもしれない。Uberの運転手の多くにとって、Uberは主要な収入源である。そして、全ての運転手が最新かつ最高の自動車を所有しているわけではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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