Uber Technologiesの最高経営責任者(CEO)を務めるDara Khosrowshahi氏は5月の時点で、自動運転車の開発を「今後数カ月以内」に再開すると述べていたが、ここへきてようやく、より具体的な再開時期が見えてきたようだ。
Uberは8月までに自動運転車の運用を再開したい考えだという。The Informationがこの決定についてよく知る情報筋の話として報じた。プログラムはペンシルベニア州を中心に実施されると考えられているが、カリフォルニア州に戻る可能性もある。
自動運転車の取り組みを再開すること自体は簡単だ。Uberはすでに、自律走行を可能にするハードウェアとソフトウェアを搭載した「Volvo XC90」を保有している。難しいのは、アリゾナ州で起こした死亡事故を経て、世論の支持を取り戻すことだ。この事故では歩行者1名が犠牲になり、Uberの自動運転試験が中止に追い込まれた。
The Informationによると、再開の仕方についてUberにはいくつか考えがあるという。Uberはすでに、同社のやり方について社内で見直しを行い、そこから得られた提案に基づいて、自動運転車の安全対策に十数件の変更を施すと発表している。
具体的なポイントの1つは、よりよい自動ブレーキ安全装置の開発に関するもののようだ。アリゾナ州における衝突死亡事故に関する米連邦政府の暫定報告では、自動ブレーキシステムは、起こり得る不規則な動作を軽減できなかったとしている。そして、ブレーキをかける責任は車両操作員にあったとしても、システムは車両操作員に警告を発するよう設計されていなかったと指摘している。アリゾナ州テンペの警察による調査では、車両操作員が衝突の直前にスマートフォンで米テレビ番組「The Voice」をストリーミング再生していた疑いがあることが分かっており、これも事故の一因となったとされている。
その他の改良点には、安全管理を担う2人目の操作員をフェイルセーフ(安全装置)として追加するだけでなく、シミュレーションに基づくテストにこれまでよりも重点を置くソフトウェアの微調整などがある。
The Informationの記事によると、UberはGeneral Motors(GM)傘下のCruise Automationと、Cruiseの自動運転車をUberの配車ネットワークで利用できるようにする取り組みなど、両社が連携できる分野について協議中だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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