フリマアプリ「ラクマ」、売上金をリアル店舗や楽天サービスの決済に使える新機能

 楽天は7月3日、フリマアプリ「ラクマ」の売上金を、楽天のオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」にチャージできる新機能を発表した。同日よりウェブでのローンチを開始し、9日にはスマートフォンアプリを公開する。順次提供開始としており、すべてのユーザーに届くまで2週間ほどかかるとしている。

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「ラクマ」が「楽天キャッシュ」のチャージに対応

 楽天キャッシュは、楽天ポイントや楽天Edyと比べると影は薄いものの、2008年から提供している電子マネー。楽天サービスのほか、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」にも対応する。楽天Edyや楽天ポイントと異なり、楽天銀行に入金することで出金(手数料10%)も可能。楽天IDに紐付いているため、楽天キャッシュにチャージすれば、複数の端末で利用できる。

 今回の連携により、ラクマの売買でたまった売上金を、楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天koboといったECのほか、モバイル通信サービスの楽天モバイル、電力サービスの楽天エナジーなど、楽天サービスでの支払いに利用可能。また、無印良品やドミノ・ピザ、TOHOシネマズといったECのほか、ローソンやワタミグループなど楽天ペイ対応店舗での支払いも可能だ。

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「楽天キャッシュ」が利用できるサービス

 取引完了と同時にチャージ可能。口座振込よりも早く売上金を利用できる。売上金の画面から「楽天キャッシュにチャージ」というボタンをタップするとチャージ画面に移る。チャージ額は1カ月最大10万円まで、手数料は発生しない。また、楽天キャッシュは、本人確認の完了で個人間送金にも対応する。

 これまで、ラクマの売上金は、ラクマ内での商品購入か、連携した銀行口座への振込(手数料一律210円)に限定されていたが、楽天キャッシュで楽天サービスへの流入が実現する。また、フリマアプリの普及で新品離れが進むという論調もあるなか、フリマアプリの売上金が一次流通に流れるため、新品購買が活性化する役割もあると楽天では説明する。

 なお、ラクマから楽天ポイントへのチャージについては、資金決済法上の観点から対応できないという。楽天ポイントは景品やおまけとして発行される企業内ポイントという扱いになり、楽天Edyはユーザーからの対価を得るため前払式支払手段に該当する。楽天キャッシュは資金移動業にあたるという。

ラクマの手数料導入の影響は限定的

 2月には、Fablicが提供していたフリマアプリ「フリル」をベースに、新ラクマとして刷新している。ユーザーの移行について楽天バイスジェネラルマネージャの長谷川健一朗氏は「想定通り」と話す。「旧ラクマのユーザーが旧フリルにうまく移行でき、ユーザーボリュームが増えた。それにともなって、旧フリルのメインカテゴリだった女性向けファッションと、旧ラクマで強かった男性ファッション、エンターテインメントカテゴリが融合し、カテゴリ全体の取引も増えてきている」という。

 また、5月にはこれまで無料だった手数料を、商品価格の3.5%が発生するように改訂している。ユーザーへの影響について長谷川氏は、「無料でないと使わないというユーザーが一定数いることは想定していた」とし、影響はあるとしているものの、手数料収入によりキャンペーンやプロモーション施策を展開できるようになり、その分新規ユーザーを獲得できているという。また、6月より放映している新CMが好調だという。

 認知度が低い楽天キャッシュのプロモーションについては、「少しずつやっていく。楽天キャッシュや楽天ペイ経由で使うには啓蒙が必要」としつつ、「理解すれば利便性は高い。差別化ポイントとして、商品を売って外で使ってもらえるプラットフォームとして選んでいただきたい」とした。

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