Appleとサムスンが長きにわたり、デザイン特許をめぐって争ってきた訴訟で、両社は米国時間6月27日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所サンノゼ支部に対し、「本件に関して残存する提訴と反訴を取り下げ、和解することで合意した」と通知した。これを受け、同支部のLucy Koh判事は、すべての申し立てを棄却する命令に署名した。これにより両社は今後、同じ主張に基づく訴訟を新たに起こすことができなくなった。
なお、和解の条件は明らかにされていない。
Appleは米CNETに対し、同社が5月に出したコメントを再掲するかたちで、次のような見解を示した。
「われわれは、デザインの価値と、顧客に喜びをもたらす革新的な製品を作るために当社のチームが続けている絶え間ない努力を深く信奉している」
米CNETはサムスンにもコメントを求めたが、回答は得られなかった。
2012年に始まったAppleとサムスンの法廷闘争は、秘密主義で知られる両社の内幕が垣間見られるものとなったため、シリコンバレーやテクノロジ業界から大きな注目を集めた。両社は2014年に米国外の裁判で和解に達したが、米国ではこの5月まで争いを続けていた。
2012年の最初の裁判では、サムスンがAppleの意匠権を侵害したと認定し、賠償金として10億500万ドルをAppleに支払うよう命じた。しかし、サムスンが上訴したことから、意匠権の賠償金の算定方法をめぐり、最高裁で2回の再審と1回の公聴会が行われた。
結局、最高裁はこの件を地方裁判所に差し戻す判断を示した。5月にサンノゼで行われた直近の再審では、サムスンが2010年と2011年に発売した「Android」搭載スマートフォンで3件の意匠権と2件の特許を侵害した賠償金として、5億3900万ドル(約590億円)をAppleに支払うよう命じる評決を、陪審団が下した。この金額は、サムスンが既に支払っている5億4800万ドル(約604億円)の賠償金に上乗せされたものだった。
Appleとサムスンは、2012年発売の「Galaxy S III」など、今回の訴訟の対象よりも新しいデバイスに関しても、裁判で争っていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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