ドローンは社会になじめるか--センシンロボティクスが「ブイキューブ」の冠を外した理由

 6月29日に、12億円の資金調達と「センシンロボティクス」への社名変更を発表した、旧ブイキューブロボティクス。同社は、「リアルタイム映像コミュニケーションサービス」や「全自動ドローン運用サービス」など、さまざまなドローンに関するソリューションを提供している。「ロボティクスの力で、社会の『当たり前』を進化させていく。」をビジョンとするセンシンロボティクス。同社代表取締役社長の出村太晋氏に、今後のドローン業界の展望を聞いた。

センシンロボティクス 代表取締役社長の出村太晋氏
センシンロボティクス 代表取締役社長の出村太晋氏

社名を変更して第2創業へ

――今回、総額約12億円の資金調達と社名変更を実施されましたが、背景を教えてください。

 今回の資金調達は、相手企業とのシナジーを意識したものになっています。初回の資金調達からお付き合いのあるグロービスや、海外展開などでのシナジーが期待できる伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、フィディリティグループのEight Roads Ventures Japan、Drone Fundの4社に引き受けていただきました。

 12億円は、独自展開をするための調達ということになります。出資額が大きくなったために、ブイキューブが出資するポジションは小さくなっています。今回の調達段階で潜在分含めて2割ほどになりました。

 もともとブイキューブロボティクスは、ブイキューブのソリューションをドローンで生かす戦略子会社として、2015年10月に設立しました。しかしながら事業を展開するなかで、必ずしもブイキューブとのシナジーがないものも増えていきました。

 そのため、今回の資金調達を機に、きちんと独立企業としてスタートしようと、ブイキューブの冠を外した社名に変更しました。事業としては、ブイキューブから完全にカーブアウトした形になっています。

 もちろん、ブイキューブのウェブ会議システムを流用した「リアルタイムコミュニケーションシステム」を提供しているので、ライセンサーとライセンシーとして緊密な関係は続けていきます。あくまでも、企業として独立した形で進んでいくということです。

 あと、2~3年以内でのIPO(新規上場)を検討しており、きちんと独立した会社として見える形を作っておかないと、ということもありました。

――区切りのタイミングということですね。

 われわれとしては、第2創業的な位置づけになります。新しいビジョンや意匠も、今いる社員が一から新しく考えたものです。ビジョンを新しく作ったうえで、社名を社内で募集しました。今いるメンバーで一から作るという意味合いもあります。

 社名の「センシン」には、「先進」や「専心」「潜心」といった意味があります。ローマ字表記では、「Sensing」と「Synchronization」の頭を取って、「SIN」ではなくて「SYN」を採用しました。ロゴマークは、二色が融合していくという意味があります。意匠はSENSYNの「S」ですね。

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