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パナソニック「ゼロからイチを作る部署」AIソリューションセンターが取り組むAI活用法

加納恵 (編集部)2018年06月24日 10時00分
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パナソニックAIソリューションセンター所長の九津見洋氏
パナソニックAIソリューションセンター所長の九津見洋氏

 パナソニックは6月22日、AI・IoTを活用したサービスを推進するビジネスイノベーション本部「AIソリューションセンター」の取り組みについて、技術説明会を開催した。

 ビジネスイノベーション本部は、「事業戦略センター」「事業開発センター」AIソリューションセンターの3つから構成。AIソリューションセンターは、AIの技術でさまざまな事業に貢献することが役割。パナソニックAIソリューションセンター所長の九津見洋氏は「新しいビジネスのゼロからイチを作る部署」と位置づける。

 九津見氏は「産業に破壊的な価値をもたらすソフトウェア技術であるAIと、パナソニックによる安定品質のものづくりを掛け合わせることで、リアルなIoTカンパニーを目指す。リアルとフィジカルの世界で強い会社にパナソニックはなる。IoT(Internet of Things)でいう、T(Things)側に強みを持ったIoTカンパニーを目指したい。決してIT企業を目指しているのではない」と強調する。

ビジネスイノベーション本部
ビジネスイノベーション本部

 パナソニックでは、AIに必要な「Compute」「Algorithm」「Unique Data」「Domain Expertise」のうち、Unique Data、Domain Expertiseの2つをてがけていくとのこと。「計算能力やアルゴリズムは進化が早いため、急速にコモディティ化する。その部分を自らの手で作るよりは、先端技術を活用したほうが早い。ものづくりをしてきたフィジカルカンパニーだからこそ所有できるデータと幅広い専門知識をいかしAIに取り組む」(九津見氏)という。

AI戦略に対するパナソニックの立ち位置
AI戦略に対するパナソニックの立ち位置

 注力領域は「HomeTech」「Mobility」「Energy」の3つの分野とそれらを支える要素技術の1つを加えた3+1。HomeTechでは、100周年記念住宅に初搭載することが発表された「HomeX」を推進しているほか、Mobilityでは、コネクティビティや自動運転、シェア、エレクトリックなど4つのケースに対し、ディープラーニングを中心とした技術活用を進めているという。

 また「パナソニック内で、AIに関する相談を受け付けたところ、相談が多かったため、最近決めた領域」としてエナジーをピックアップ。「電池の上手な使い方に今のIoTデータを活用して制御できないかと検討を進めている状況」(九津見氏)と話す。

AIソリューションセンターでは、組み込みの「Embedded」、AIが判断した結果に対し、対策を打つ「Explainable」、使うほどに進化する「Evolution」と3つのEから成るAIに注力。これを「E3-AI(イースリーエーアイ)」と名付けている
AIソリューションセンターでは、組み込みの「Embedded」、AIが判断した結果に対し、対策を打つ「Explainable」、使うほどに進化する「Evolution」と3つのEから成るAIに注力。これを「E3-AI(イースリーエーアイ)」と名付けている

 九津見氏は、「AIはツールで、AIソリューションセンターのメンバーは道具を使いこなす大工のような存在。お客様の要望を理解し、最適なソリューションを作るために道具を使い分けるという考え方。足りない道具は、M&Aやパートナーシップなどを通じて調達する」と、各所と連携しながら補強していく考えを話した。

 社内におけるAI人材の育成については、「AI人材育成プログラム」の実施などにより、「予想以上に育成プログラムを受ける人が増えている」現状を報告。パナソニックCTOの宮部義幸氏は、AI技術者を5年後に1000名にする計画を表明しているが、九津見氏は「計画より前倒しで進んでいる」ことも明らかにした。

 九津見氏は「2017年に7月の技術セミナーで馬場(パナソニックビジネスイノベーション本部副本部長の馬場渉氏)が、パナソニックがふたたび世界一を奪還するためにタテパナからヨコパナになる必要があることを発信した。タテパナとは事業部制を模式的に言ったもの。ヨコパナとは、それぞれの事業部に蓄積されたノウハウや技術をタテ軸に閉じ込めるのではなく、横展開し、掛け算することで提供していく形。AIにタテパナで培ったものづくりを掛け合わせることで、ヨコパナを実現する」と今後について話した。

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