Global Mobility Service(GMS)は6月8日、総額11億円の資金を調達したことを発表した。引受先は、イオンフィナンシャルサービス、川崎重工業、凸版印刷、大日本印刷、双日、G-7ホールディングス、バイテックグローバルエレクトロニクスほか複数社。なお、同社は2017年4月にソフトバンクや住友商事、デンソーなどから総額7億円を調達していた。
同社では、従来ローン審査に通過できない低所得者層の人々が、ローンを組んで車両を購入できるFinTechサービスをフィリピンとカンボジアのタクシー事業者などを中心に提供している。独自開発したGPS搭載のIoTデバイス「MCCS」を車に装着し、月額料金が支払えなければ遠隔制御によってエンジンを停止する仕組み。デバイスを無理やり取り外してもエンジンはかからなくなる。
フィリピンなどでは携帯電話料金や光熱費が前払いのプリペイド式が浸透しているため、GMSが提供するこの“プリペイド自動車”ともいえるモデルに抵抗を持つ人は少ないという。また、フィリピンでは行政機関や金融機関、インフラ機関とも提携しているため、エンジンが止まった車の所有者が近くのコンビニエンスストアなどで、滞納した料金を支払うだけで即座に起動制御が解除されるとのこと。同社によれば、貸倒率は1%以下だという。
日本でも西京銀行と提携して、与信審査通過枠を大幅に拡大するFinTechオートローンの提供を2月に開始した。GMSの提携先としてMCCSを取り扱う全国の自動車販売店において、MCCSを搭載した自動車を購入する際に、利用できるマイカーローンだ。新興国でのサービスと同様に、利用者の返済が滞るとエンジンの起動を停止するという。
同社は6月7日、引受先である双日と、ラテンアメリカなどの新興国でこのFinTechオートローンを展開することを発表した。与信審査に通過しない割合が高く車を購入できない人口が多いラテンアメリカ地域などの新興国で、共同で事業を構築するとしている。また今後も、引受先各社とのアライアンス事業を加速させるとしている。
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