Amazonは米国時間6月7日、「Fire TV Cube」を発表した。基本的に、ストリーミングデバイス「Fire TV」と「Echo」スピーカを融合して1つのボックスにしたようなものだ。
Fire TV Cubeは「Alexa」を搭載するが、新しいAlexa製品ということのみにとどまらず、コネクテッドホームをよりシンプルに洗練されたものにしようとするAmazonのビジョンを示しているようだ。
AmazonでFire TV担当バイスプレジデントを務めるSandeep Gupta氏は先ごろ、マンハッタンのホテルで開いた会見で、近くにあったテレビの操作に使う3種類のリモコンを身振りで指し示した。そこにあったのは、ケーブルテレビ用セットトップボックスのリモコン、テレビのリモコン、サウンドバーのリモコンだ。Gupta氏はテレビのそばの Fire TV Cubeを使用し、音声コマンドとCubeのスリムなリモコンの助けを借りて、いつものようにリモコンを取っ換え引っ換えせずに済ませた。
「ここでの目的は、人々の暮らしを整理すること、家庭のエンターテインメントシステムを管理する複雑さを整理して、使いやすくすることだ」(Gupta氏)
Fire TV Cubeは、秘密主義のAmazonにしては珍しく、2018年に入ってから予告していたもので、スマートホームで支配的な地位に立とうとする同社の取り組みを構成する新たな要素となる。
Fire TV Cubeを利用すると、あらゆるリモコンを減らせるほか、Fire TVとEchoデバイスを別々に使う必要がなくなる。これらは小さな一歩かもしれないが、結果として、よりシームレスな未来のスマートホームにつながる可能性がある。
Fire TV Cubeはまた、Echoデバイスを家庭のあらゆる部屋やシナリオに特化させようとするAmazonの取り組みをはっきりさせるものだ。汎用型のEchoスピーカから始まり、それを基盤としてクローゼットには「Echo Look」、ナイトスタンドには「Echo Spot」を展開し、そして今回のエンターテインメントセンター(娯楽機器を収納する家具)向けFire TV Cubeが投入された。Cubeは、Alexaの制御機能をAmazonのほぼすべての消費者向けデバイスに組み込もうとする同社の継続的取り組みの一環でもある。
新たなFire TV Cubeを紹介するデモの中で、Gupta氏はAmazonが、単にAlexaを組み込んだFire TVストリーミングデバイスにとどまらないデバイスの開発を目指していると述べた。そうした狙いから、Cubeは米国のほぼすべてのケーブルテレビおよび衛星放送用セットトップボックスに加えて、「Hulu」や「PlayStation Vue」などのストリーミングアプリにも対応しており、ユーザーは音声を介してライブテレビのチャンネルを視聴できる。
Fire TV Cubeは、赤外線、Wi-Fi、HDMI CECなど複数の接続方式を利用して、テレビ、サウンドバー、オーディオビジュアル受信機を制御できる。これらの接続方式を用いることで、「Alexa、ただいま」と言うだけでCubeを通じてテレビ、接続した照明、サウンドバーをオンにするように各機器を設定できるかもしれない。
Cubeはまた、テレビとの接続を活用して、音楽を再生すると歌詞をスクロール表示したリ、米国の人気クイズ番組「Jeopardy!」のスキルに含まれるヒントなど、特定のAlexaスキルの視覚情報を表示したりする。
CubeはスタンドアロンのAlexa搭載スピーカとしても動作するので、音楽の再生や接続機器の操作をしたり、テレビをつけていない時に天気予報を教えてくれたりする。
Cubeは米国で6月21日より119.99ドル(約1万3000円)で発売される。米国ではすでに先行予約を受け付けており、6月7日と8日に限り、Prime会員は89.99ドル(約9900円)で予約できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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