Qualcommの元最高経営責任者(CEO)であるPaul Jacobs氏が、ワイヤレス技術を手掛ける新会社を設立した。しかし、同氏は、Qualcommを買収して株式を非公開化することをあきらめたわけではない。
XCOMというこの新興企業は、5Gなどの次世代モバイル通信技術が抱える問題の解決に取り組む予定だという。Qualcommの社長を務めていたDerek Aberle氏と最高技術責任者(CTO)を務めていたMatthew Grob氏も新企業に加わる。XCOMのサイトによると、Aberle氏は同社の最高執行責任者(COO)、Grob氏はCTOに就任するという。Jacobs氏はCEOに就任する。
Aberle氏は米CNETの取材に応じ、XCOMは5Gが抱える信頼性や遅延、セキュリティなどの課題や、「これらの枠を超えて発展してゆくためのアイデア」に取り組むと述べた。
Jacobs氏は、 BroadcomがQualcommの敵対買収を断念した3月にQualcommの取締役を辞任している。Qualcommは当時、辞任の理由について、Jacobs氏が同社の自社買収を検討しているためだと説明していた。Qualcommは、Jacobs氏の父親であるIrwin Jacobs氏が共同で創設した企業だ。Jacobs氏が保有するQualcomm株は1%に満たないため、Jacobs氏がQualcommの非公開化に成功する可能性は低いと報じられている。Qualcommに買収提案を行うには十分な資金力のある支援者が必要になるだろう。
しかし、Jacobs氏は今でも、Aberle氏とともに、Qualcommを買収するための資金調達に動いているという。Aberle氏は、買収提案が実現するとしても、QualcommによるNXP Semiconductorsの買収が中国当局に承認されてからと述べる。「今から準備を進めることは可能だが(中略)NXPの件は買収提案の内容を左右する重要な要素だ」とAberle氏は述べた。買収の支援者がいるのかなどの詳細は明かされなかった。
Aberle氏はほかにも、XCOMが技術ライセンスや独自のソフトウェア、デザインを提供する可能性について語った。また、XCOMの技術をチップメーカーの製品に組み込むための提携も視野に入れているという。どれだけの従業員を雇用する予定かは明かされていない。
Aberle氏によると、XCOMはQualcommの取り組みを補完する技術を開発する計画で、Qualcommとはパートナーや顧客として取り引きすることもあり得ると述べた。またJacobs氏とともにQualcommの株式非公開化に成功したら、XCOMをQualcommに売却することも考えられると、Aberle氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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