NTTドコモと大阪府は5月23日、産業振興、府政PR、子ども、防災・防犯、健康・働き方、地域活性化の6分野において連携・協働活動に取り組むことを発表した。5月23日の連携協定締結式には、大阪府の松井一郎知事とNTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏が出席し、協定書に署名する調印式を行った。
今回の連携は、ドコモが掲げる中期戦略2020「beyond宣言」に基づく活動の一環として、5GやAIなどの技術を社会課題解決や地方創生に役立てることを目的にしており、ドコモだけでなくNTTグループ全体で大阪の取り組みを支援するとしている。
その1つが、ドコモ5Gオープンパートナープログラムに参画するパートナー企業や団体、大学などが5G技術を検証できる西日本初の常設施設「ドコモ5Gオープンラボ OSAKA」の開設で、梅田DTタワー内に9月オープンを予定している。大阪府、大阪市、大阪商工会議所が進める「実証事業都市・大阪」と連携して産業振興を後押しするほか、大阪大学と連携して5Gを活用した遠隔授業の実証実験なども行う。
このほかにも子どもの貧困対策として、それらの支援活動を行っている施設や団体に100台のタブレットを寄付したり、府内に130店舗あるドコモショップで府から発信されているPR情報やポスターの展示を行うといった、多方面での連携も進めるという。
締結式に出席したドコモの吉澤氏は、「大阪は技術の集積地であり、IoTやロボティクス事業を行うスタートアップ支援にも力を入れている。次世代通信方式である5Gをビジネスチャンスにつなげ、さまざまなショーケースを一緒に考えてもらえることを期待している」とコメント。大阪が目指す2025年の万博誘致にも貢献したいと述べた。
締結式にあわせて移動式5Gデモプラットフォーム「5Gデモバス」の体験会も開かれた。車内では5Gを利用したリアルで没入感のある映像を4台の4Kプロジェクターで全面7K、両側面3Kのスクリーンに投影し、5.1ch対応の音響設備と共に体験できるようになっている。今回は、試合中継中に選手の情報をリアルタイムで画面表示できる、次世代スポーツビューイングのデモ映像が視聴できるようになっていた。
ドコモでは今後、大阪以外の地域でも要望があれば自治体との連携による支援活動を検討するとしている。特に5Gの活用を積極的に進めており、まずはこの7月から北海道や沖縄で5Gデモバスの展示を行い、全国で周知させることを目指す。
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