The New York Times(NYT)によると、FacebookはAppleやMicrosoft、サムスン、BlackBerryなど少なくとも60社のデバイスメーカーと、大量のユーザーデータへのアクセスを提供することについて合意していたという。
これらの合意ではユーザーのFacebookの友達のデータにまでアクセスが提供されていた。ユーザーの友達のデータは多くの場合、明示的な同意なしに提供されたとされ、米連邦取引委員会(FTC)との間で2011年に成立した和解の遵守が問題視されている。
NYTの記者はテストのために、2013年のBlackBerryデバイスを使って、約550人の友達のいるFacebookアカウントにログインし、そのデバイスで要求されたデータや受け取った情報を監視した。「The Hub」というBlackBerryアプリを通して、そのデバイスは(Facebookの友達の友達などを含めて)最大29万5000人のFacebookユーザーの情報を取得することに成功した。ただし、BlackBerry関係者がNYTに述べたところによると、「Android」を搭載する新しいBlackBerryデバイスは、同じプライベートチャネルを使用していないという。
NYTの記事を受けて、Facebookは3日、ブログ投稿で釈明した。
執筆したプロダクトパートナーシップ担当バイスプレジデントのIme Archibong氏によると、データに関する合意は必要なことだったという。
モバイル時代が幕をあけたばかりの頃、Facebookへの需要は高く、あらゆるスマートフォンやOSで正常に機能する製品バージョンの構築が追いつかなかった。今では思い出すのも難しいが、当時はアプリストアなど存在しなかったため、FacebookやGoogle、Twitter、YouTubeといった企業はOSやデバイスのメーカーと直接連携して、自社の製品をユーザーの元に届ける必要があった。これには多くの時間がかかったうえ、Facebookは全てのユーザーにリーチすることはできなかった。
この問題を解決するため、当社は一連のデバイスと連携するためのAPIを構築し、さまざまな企業がFacebook風のエクスペリエンスを自社の個々のデバイスやOSで再現できるようにした。この10年間で、約60社がそれらのAPIを使用した。それには、AmazonやApple、Blackberry、HTC、Microsoft、サムスンなど、著名企業が多数含まれる。
Facebookの投稿によると、パートナー企業は、データをデバイス上での「Facebook風エクスペリエンス」以外の目的に使用することを禁じる合意書に署名したという。これらの合意の下で共有されるデータが悪用された事例は1つも確認していない、とFacebookは述べている。
米国連邦議会の上院商業委員会は、NYTの報道についてFacebookに情報を求める意向だ。
透明性やプライバシーを侵すリスクについて「商業委員会はFacebookに書簡を送り、詳しい情報を求める予定だ」とJohn Thune上院議員(共和党)はReutersへの声明に記している。
Reutersの記事によると、同委員会のEdward Markey議員とRichard Blumenthal議員(ともに民主党)は「Facebookが何十社もの端末メーカーに対し、宗教や政治観念、交際ステータスなどの個人情報へのアクセスをユーザーの同意なしに提供したという情報を、憂慮をもって受け止めている」と書かれた書簡をFacebookに送付したという。
Facebookの広報担当者は「商業委員会からのあらゆる質問に答えてゆきたい」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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