Facebookは米国時間11月29日、プライバシー慣行に関する問題について米連邦取引委員会(FTC)と和解した。ユーザー情報の扱い方を変更することで、今後実施が予想される新規株式公開(IPO)に向けての障害となり得る問題を取り除いた。
Facebookは、和解の一環として、広告主や他のユーザーとの個人情報の共有方法を「オプトイン」方式でユーザーが変更できるようにすること、第三者と共有する情報を開示すること、20年間にわたり2年に1度の「プライバシーに関する監査」を実施することに合意した。
FTCは、和解を受け、Facebookの個人情報の扱いに関する調査を終了する。この調査は、複数のプライバシー団体が2009年後半にFTCに申し立てを起こしたことで開始されていた。FTCは和解命令の中で、Facebookがプライバシー慣行を通知なしに変更することでユーザーを「欺いてきた」と主張する8件の内容について概要を説明している。
FTC会長のJon Leibowitz氏は電話会議で「FTCは、欺まん的または不公正な行為や慣行を禁止する米連邦取引委員会法(FTC Act)に対するさまざまな違反を指摘する」と述べた。「最も重要なことは、消費者のプライバシーを今後保護することであり、今回の命令によってそれが実現されると信じている」(Leibowitz氏)
Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は、深く反省している態度を見せ、過ちを認めた。同紙はブログ投稿で、「われわれはこれまで、ユーザーの情報の公開先に関する適切な透明性と制御を提供してきた、とわたしは全般的に思っている」と記した。「しかし、われわれはいくつかの過ちを犯していたこともここに認める。特に、4年前の『Beacon』、そして、2年前のプライバシーモデル移行時の不手際などの少数ながら大きな過ちは、われわれが実施してきた多くの良い行いにしばしば影を落とすものだったと思う」(Zuckerberg氏)
Facebookはプライバシーに関する慣行を変更することに同意しているが、何らかの法律に違反したことは認めておらず、和解文書には、同社がFTCの主張を「はっきりと否定している」と記されている。
FTCの声明によると、8件の問題を扱った審判開始決定書には、Facebookが「Facebook上にある消費者の情報について、非公開することが可能と述べながらも繰り返し共有して公開し、消費者を欺いた」ことが書かれているという。
例えば、Facebookは2009年12月、変更が予定されていることをユーザーに警告したり、前もってユーザーの承認を得たりすることなく、ユーザーがそれまで非公開に設定していた「Friends List」などの情報を公開した、と審判開始決定書には書かれている。また、サードパーティーアプリは自らの動作に必要なユーザー情報にのみアクセスするとFacebookは主張しているが、実際のところ、それらのアプリはユーザーの個人データのほぼすべてにアクセスできるとFTCは述べた。さらに訴状によると、Facebookはユーザーに対し、データ共有の範囲を「Friends Only」のような特定のグループに限定できると述べたが、その後、友達が使用するサードパーティーアプリとの間でその情報を共有できるようにしたという。
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