ただ、3社の全員が現状のAzureプラットフォームに全ての面で満足しているわけではない。たとえばオルターブースの松村氏は開発言語の対応に不足を感じており、今後のPHP言語への対応拡充に期待している。クラウドキャストの星川氏も、同社がフォーカスする日本のFintech領域へのマイクロソフトの投資の少なさ、AzureプラットフォームにおけるFintech関連の機能の少なさを気にかけている。
とはいえ、マイクロソフトが正式版を発表したチーム開発のためのコラボレーションツール「Visual Studio Live Share」については、松村氏いわく「プレビュー版の時から使っているが、非常にすばらしいツール。簡単にコードレビューが行える」と言い、早くも開発業務において必須ツールになりつつあるようだ。今後は、同じく新たに登場した「Azure Kubernetes Services」を活用することで、昨今のトレンドであるマイクロサービス化を進めるとともに、それらの安定した開発・運用を可能にする基盤づくりにも着手したいと語った。
また、現在ほぼバックエンドのみでAzureを活用しているイノベーションの矢ヶ崎氏も、今後「Visual Studio Code」を用いた開発環境整備を進めていく方針。星川氏は、AI技術を手軽に導入できる「Cognitive Services」について「かなり魅力的。バックエンドに使いたい」と述べ、「staple」のAI化にも含みをもたせた。
Azure、AWS、Google Cloud Platformと、3つのクラウドインフラが覇権を争う現在。どのプラットフォームにもメリット・デメリットがあり、初めて導入する際にも、移行を検討する際にも、どれを選ぶべきか判断が難しいと感じるかもしれない。しかし、とりわけ日本においては、機能や価格だけで決めるのは正しいとは言い切れないようだ。「日本法人としてのサポートの手厚さ」という部分、あるいは今後ますます活発化すると考えられる「マイクロサービス」化の容易さという点も、クラウドインフラを選択する際には大きなポイントになるのではないだろうか。
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