配車サービスUberの最高経営責任者(CEO)Dara Khosrowshahi氏は、ライバル企業の協力を得て、自社の自動運転試験プログラムを再び軌道に乗せたい考えのようだ。
Uberは3月にアリゾナ州で死亡事故を起こし、車両試験を実施している全都市で、自動運転走行を一時的に停止した。
Khosrowshahi氏は今回、Uberのプログラムを夏までに再開するにあたり、ライバル企業に協力を仰ぐことを検討していると述べた。
Khosrowshahi氏は米国時間5月30日、Recodeがカリフォルニア州ランチョパロスベルデスで開催している「Code Conference」の壇上インタビューの中で、「路上試験を再開する際には、最大限の安全性を確保して路上試験を再開したという絶対的な確信が必要だ」と述べた。「当社のネットワークにWaymoの車両を組み入れることについて、Waymoと話をしている。この話し合いから何かが生まれれば素晴らしいが、何も起こらなかったとしてもかまわない」(Khosrowshahi氏)
同氏は、「当社のネットワークにぜひWaymoの車両を組み入れたいと私は思う」と述べ、Waymoを「素晴らしい技術プロバイダー」だとした。
Waymoはコメントを控えた。Uberの担当者はコメントの要請に応じなかった。
UberとWaymoが手を組めば、両社の関係は大きな転機を迎えることになりそうだ。両社は2018年初頭まで、シリコンバレー史上最も注目を集めたといえる訴訟を繰り広げていた。Waymoは、Googleの親会社Alphabet傘下の自動運転車部門だ。
同氏は、「本当に安全な形で路上試験を再開しようというこの取り組みが(中略)、われわれをより良い企業にすると信じている」と述べた。
Khosrowshahi氏は2017年8月にUberのCEOに就任した。その際同氏は、Uberを180度転換させるという難題に直面していた。同社はそれまでの数カ月、報道の見出しを飾る数々の不祥事を起こし、一気にコントロールの効かない状態に陥っていった。
Khosrowshahi氏は、広く知られていたUberの「有毒な」企業文化を劇的に変革し、取締役会の中の関係を円滑化し、ソフトバンクが主導する100億ドル規模の出資契約を締結し、Waymoの訴訟を和解に持ち込んだ。
Khosrowshahi氏は今後について、2019年下半期の新規株式公開(IPO)を今でも期待しているとしたが、「最高財務責任者(CFO)が必要」だと述べた。
IPOの準備を進めるにあたってCFOがいないことのほかに、同氏が最も恐れていることは何だろうか。同氏は、「当社の意思決定が、私に依存しすぎていることだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」