欧州連合(EU)の「一般データ保護規則(GDPR)」が施行された5月25日、プライバシー擁護活動家のMax Schrems氏と同氏が運営する非政府組織noyb.euは早速、GoogleとFacebookに対する苦情を申し立てた。これに続き、今度はフランスのデジタル権利保護団体La Quadrature du Net(La Quad)がGoogleとFacebookに加えて、Apple、Amazon、LinkedInについても苦情を提出している。
28日、La Quadはフランスのプライバシー規制当局であるCNILに、上記の5社について苦情を提出した。Googleに対しては、「Gmail」「YouTube」「Google検索」についてそれぞれ苦情を出している。
La Quadの行動は準備段階を経ている。6週間前、集団での申し立てに加わるように呼びかけを開始し、1万2000人の署名を集めた。活動のコーディネーターであるMyriam Michel氏によると、各苦情には9000人から1万人の署名が添えられている。
GDPRの特徴の1つとして、影響を受けていると思われる個人に代わって非営利組織が企業について侵害の苦情を申し立てることができる点が挙げられる。これにより、苦情を申し立てる側の説得力が増し、申し立てを説明しやすくなる。
La Quadの苦情は、「強制された合意」に注目している点でSchrems氏のnoyb.euの苦情と似ている。
GDPRは企業に対し、特定の法的基盤に基づいた個人情報だけを扱うよう求めている。そのため、企業の多くが合意を選択肢として提供することを選んでいる。
しかし一部では、中核サービスを提供するのに厳密には必要とは言えない方法でデータが使われることに合意しない限り、サービスを使わせない場合もある。このような「全か無か」のアプローチは合意という概念を軽視しているというのが、GDPRの考え方だ。
La Quadは7件の苦情を出したが、それで終わりではない。このほかにも「Android」「WhatsApp」「Instagram」「Skype」「Outlook」に関するものを含む計12件の苦情について支持を集めており、これらは28日には提出していない。
「(CNILと)先週会合を持ち、これら12件のサービス全てを対象にすると内容の確認が複雑になり時間がかかると言われた。そこで対象を7件に絞り、より迅速にCNILから回答をもらうことにした。他のサービスも対象にするが、それは後のことだ」とMichel氏は米ZDNetに語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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