「Chrome 66」で導入された新しい動画自動再生ポリシーについて、Googleが一時的な変更を行っている。このポリシーは、自動再生される、ユーザーが迷惑だと感じる場合のあるような動画広告の音声が流れないようにする目的で導入されたが、多くのウェブゲームの音声も遮断していた。
突然騒々しい音声を流す動画の広告やコンテンツを不快に感じていたユーザーにとっては、この新しい自動再生ポリシーは歓迎すべきものだった。
だが、ウェブゲームの音声が消えてしまうという意図せぬ結果を招いたことから、Googleは多くのウェブゲームで使われている「Web Audio API」に対して、この自動再生ポリシーを適用しない措置を一時的に講じた。
Googleがこの措置を講じた狙いは、ゲームやオーディオアプリケーションの開発者がコードを更新するための時間を確保できるようにすることだ。10月半ばにリリース予定の「Chrome 70」では、Web Audio APIに対して音声遮断ポリシーが再び適用される予定だ。
Googleの製品マネジメントを担当するJohn Pallett氏は米国時間5月15日、「Chromium」のバグレポートページで、不満を持つウェブゲーム開発者らから投稿された多くの苦情に対応した。
一部の開発者は、ユーザーが再生ボタンを押すまでは音声が流れないようになっているサイトでさえ、音声が遮断されていると指摘している。また、さまざまなユーザーや開発者が、Chrome 66のリリース後に音声が流れなくなった多くのウェブゲームやオーディオサイトを挙げている。
「WebRTC」を利用したアプリケーションも、Chrome 66の自動再生ポリシーによって引き起こされた幅広い問題の影響を受けているという。たとえば、着信音が再生されない、オーディオビジュアライザが動作しない、リモートピアからの音が聞こえないといった問題だ。
Pallett氏は、今回の変更がWeb Audio APIを利用する開発者に与える可能性のある影響について、Googleがもっと丁寧に伝えておくべきだったと、説明不足だったことを認めた。
同氏は、「Chrome 66をアップデートし、Web Audio APIの自動再生のポリシーを一時的に削除した。この変更はウェブでのほとんどのメディア再生に影響せず、この自動再生ポリシーは<video>と<audio>に対して引き続き有効である」としている。
Googleは10月にこのポリシーを戻す予定だが、ユーザーインターフェースに関してGoogleが解決できていない重要な課題がまだあるとPallett氏は述べている。課題はさまざまな形のウェブアプリケーションからのユーザーのジェスチャーの取得方法に関連するものだという。
同氏はChromiumのバグレポートページで、「優れた音声エクスペリエンスを実現する手段を模索しており、この話題に関してより詳細な見解を今後この場に投稿していく」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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