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“スマート自転車”レンタル「VANMOOF+」が7月以降に日本上陸--創業者が語る勝算

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Vanmoofが新たなサブスクリプション型自転車レンタルサービスをスタートさせる
Vanmoofが新たなサブスクリプション型自転車レンタルサービスをスタートさせる

編集部注:当初、海外のVanmoofの取材をもとに日本上陸は「9月」と記載しましたが、日本の担当者より実際には「7月以降」の誤りであるという連絡を受け、タイトルおよび記事内容を修正いたしました。また、車体本体を購入した場合は「VANMOOF+」ではなく、専用のサポートサービス「Peace of Mind」に加入する形になります。

 オランダの自転車メーカーVanmoof(バンムーフ)は、2018年7月以降に、サブスクリプション型の自転車レンタルサービス「VANMOOF+」を開始する。2500円からの月額費用を支払う代わりに、同社のスマート自転車を半永久的に借り続けられるというもの。日本国内では一定時間ごとに課金されるシェアサイクルの取り組みが拡大しているが、VANMOOF+では契約している間に自転車の返却の必要がなく、ほとんどユーザーの所有物に近い形で扱える。「購入」と「シェアサイクル」の中間とでも言えそうな「第三の選択肢」は、新たなスタイルとして普及するのか。

定額で日本国内だけでなく海外でも利用可

 VANMOOF+を契約すると貸与される自転車は、スマート自転車「Smart X」と「Smart S」。同社は2017年に、電動スマート自転車「Electrified X」で日本市場に本格参入し、2018年前半までに500台以上を販売しているが、今回の新しいSmartシリーズは、Electrified Xにあった電動アシスト機能が省かれているものの、盗難防止を目的としたセキュリティ機能を大幅に拡充していることが特徴だ。

Smart Xの外観
Smart Xの外観

 Smartシリーズは、専用アプリをインストールしたスマートフォンを自転車の鍵として利用し、Bluetoothによる無線通信で所有者を認識、解錠の手間なく近づくだけで乗り始められる。自転車を降りて離れると自動で施錠され、その状態で動かそうとすると警告音が鳴り響く。GPSで自転車の位置情報を逐一記録する機能があり、盗難が発覚した際には専属のサポート窓口となる「バイクハンター」に連絡することで、自転車の現在位置を詳細に把握し、警察と連携して捜索に当たることになる。リモート操作によりライトの点滅などで盗難車であることをアピールする仕組みもある。

トップチューブ内にバッテリーやスピーカなどが内蔵されている
トップチューブ内にバッテリーやスピーカなどが内蔵されている

 これらのセキュリティ機能や、ヘッド・テールライト、ホーンの電力は内蔵の小型バッテリから供給され、バッテリはフロントホイールのハブに内蔵されたダイナモによって走行中に逐次充電される。完全に放電した場合はUSBポートから充電することもできるが、基本的にはユーザーの手作業によるバッテリの充電、交換は不要。頑丈で軽量なアルミフレーム、内装変速機、コンディションにかかわらず高い制動力が長く続く前後ディスクブレーキ、カバーとテンショナーが付いたチェーン、シュワルベ製の高耐久タイヤなども採用して、徹底的なメンテナンスフリーを実現しているのもポイントだ。

 万一故障しても、Vanmoofのブランドショップに持ち込むことで無償修理を受けられる。2018年6月中には原宿にブランドショップの初号店がオープン予定で、購入、サポート、メンテナンスの拠点としてVanmoofの日本展開を支えていくことになる。また、VANMOOF+のユーザーは、VANMOOF+が展開されている海外のブランドショップにおいても無料で自転車を借りることができる。ユーザー本人と同行者1人の自転車を借りられるため、たとえばカップルで海外を旅行しているときでも、現地で2人分の移動の足が簡単に手に入るわけだ。

キャプション
トップチューブの前後に埋め込まれたヘッドライトとテールライト。同じくオランダの電機メーカーであるフィリップスと共同開発したLEDが採用されている
トップチューブの前後に埋め込まれたヘッドライトとテールライト。同じくオランダの電機メーカーであるフィリップスと共同開発したLEDが採用されている
前後に機械式のディスクブレーキ。フロントホイールのハブにはダイナモが内蔵
前後に機械式のディスクブレーキ。フロントホイールのハブにはダイナモが内蔵
チェーンカバーとチェーンテンショナーにより、手間のかかるチェーンメンテナンスがほぼ不要
チェーンカバーとチェーンテンショナーにより、手間のかかるチェーンメンテナンスがほぼ不要
走行中はハンドルの左側にあるボタンでホーンを鳴らすことができる
走行中はハンドルの左側にあるボタンでホーンを鳴らすことができる

盗難を嫌って安物に乗るより、VANMOOF+は安くつく

 こうしたセキュリティ機能とサポート、および海外でのレンタルを合わせたサービスの対価として設定されているのが、VANMOOF+の月額料金ということになる。3速のモデルが2500円、8速のモデルが3000円と、自転車の仕様によって月額費用が変わり、月額料金とは別に初期費用として3万5000円の「キー・フィー」がかかる。

 名義上の自転車の所有者はVanmoofであり、あくまでもユーザーは自転車を借りている、という立場だ。それでも、従来から一部のショップなどが独自に提供していたレンタル自転車の相場が月額1万円前後だったのを考えれば、長く乗れば乗るほど安価なサービス、と言えるだろう。1日当たりの金額で見ても、シェアサイクルより圧倒的に低コストだ。

2018年6月中のオープンを予定している原宿のブランドショップ
2018年6月中のオープンを予定している原宿のブランドショップ

 もちろん最初に正規料金(9万9000円から)を支払って、ユーザーが所有権をもつ形で自転車を購入することもできる。ただし、セキュリティ機能やサポートを利用するには「Peace of Mind」というオプションサービス(年会費1万円)が必須となる。よほど「自分の名義にして所有したい」という動機がない限りは、キー・フィー+月額料金のみで乗り出す方が得に感じられるだろう。

 同社CEOのティーズ・カーリエ氏が「我々にとって、これは新しいビジネスモデルとなる」と話す通り、VANMOOF+は日本においてこれまでにない安価な仕組みで自転車のあるライフスタイルを広げていく試みとなる。鍵を握るのは、これまで説明してきたように、高品質な自転車と盗難防止機能の組み合わせ、という部分になりそうだ。カーリエ氏は、「多くの人が高品質な自転車に乗らないのは、盗難されやすいから。Vanmoofは高品質だが、盗難のリスクは我々がもつ。盗難を嫌って安物に乗るより、VANMOOF+の方が最終的には安くつくと信じている」と力を込める。

VanmoofのCEO兼創業者のティーズ・カーリエ氏
VanmoofのCEO兼創業者のティーズ・カーリエ氏

 同氏によれば、オランダでは盗難防止機能やバイクハンターの活躍により、Vanmoofの自転車の盗難率が以前より7割以上減少したという。日本国内ではElectrified X発売以降、まだ一度もバイクハンターが動くような事態は起きていないとのことで、既存のキーレスエントリーやGPSによる位置追跡機能が、少なからず盗難の未然防止や抑止力に結び付いている可能性は高い。

 また、「安くつく」という点には、単純に月額料金が安価であるということだけでなく、他にも理由がある。3万5000円の「キー・フィー」は、自転車を手放す際、その自転車が欲しいという他の人に、その時点の相場を勘案した金額で「売る」ことができ、自転車を譲渡できるようになっているのだ。もしくは、契約は継続したまま少額の追加料金で新型のVanmoofに乗り換えることもできる。

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